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「ソフトの革命。」 - ソフトウエア技術による高い色再現性の実現 -

色再現性はカラーカメラに対する重要な技術要求の一つです。高い色再現性は、印刷、医療、農業などの分野において、主に撮影対象の色あいが重要な意味をもつアプリケーションに必要とされています。この要求に対する1つの解として、3つのCCDセンサを搭載した3CCDカメラ(三板式カメラ)があります。3CCDカメラは、高い色再現性を実現できる一方、特殊なプリズムを使用した光学系を必要とするためコストが高くなるデメリットも存在します。
一方でBasler社は、この色に対する要求をソフトウェア技術により実現しました。aceシリーズのような通常のCCD/CMOSカメラにおいても高い色再現性を実現できるカラーキャリブレーションの機能を標準搭載することで、安価でかつ高い色再現性が求められるアプリケーションに対する新しいソリューションを提供しています。



 
 
カメラのカラーキャリブレーションとは

ここでは、カメラのカラーキャリブレーションの一般的な手順を説明します。カメラのカラーキャリブレーションとは、上図のように色味が適切でないカメラの出力に対し、カメラのパラメータ調整により目的とする色味を実現するものです。個体差のあるカメラでも、カラーキャリブレーションを行うことで同じ色味を再現することが可能となります。


白い対象物が白く写るよう、RGBのゲインを調整します。これによりグレースケールにおける色味を除去します。



ガンマ補正を行います。ディスプレイ等の出力に合わせた正しいガンマ値を指定することで、期待する色味を実現できます。



各色のゲインを行列式の最適化によりもとめ、色味の調整を行います。



最後にRGBCMY(Red, Green, Blue, Cyan, Magenta, Yellow)の6軸を個別に微調整し求める色味を実現します。





上記の手順により、目的とする色味を実現することが可能となります。

 
 
実践! pylon Viewerでのカラーキャリブレーション

ここでは、GigE aceカメラのカラーキャリブレーションを、Basler社pylon SDKに付属されるpylon Viewerを用いて行う流れを説明します。Basler社のソフトウエア技術により、非常に簡単な手順で色の最適化が行えます。


はじめに、Defalut Set SelectorをColorに変更し、User Set LoadのExecuteを実行します。これにより色調整を行うための標準設定が適応されます。


次に、Light Source Selectorから撮影環境の色温度を指定します。その後、白い対象物を撮影した状態でBalance White AutoよりOnceを選択します。これにより各種パラメータの調整が行われます。


さらに色の微調整を行いたい場合は、Color Adjustment Selectorより6軸を選択し、それぞれのHueとSaturationを調整することが可能になっています。


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