LinX Express Vol.164

※LinX Express は、日頃お付き合い頂いているお客様、展示会やセミナー等でお名刺を戴いた方、また、雑誌やホームページから引合を戴いた事のあるお客様へ配信させて戴いております。

 

  ラインセンサーの特性を活かしたシステム構築

今号では、多面検査システム、無限長検査システムなど、ラインセンサーの特性を活かしたシステムを紹介します。ラインセンサーによって、通常では 撮影できないワークの底面の検査や、延々と続くロールtoロールの安定した撮像が、 低コストなシステム構成で実現される様子にご注目ください。


  多面検査:パシフィックシステム殿

パシフィックシステム殿では、青果の6面全面検査を実現する外観検査装置を 開発しました。このシステムのポイントは、コンベアの隙間から底面をラインセンサーで撮像することで、生産工程ラインの流れをそのままに、裏面検査を追加している点にあります。

図:パシフィックシステム殿システム外観
図:パシフィックシステム殿/システム例

上面および4側面は、Basler社のGigEエリアカメラaceで、底面はBasler社の GigEラインセンサracerで撮像を行っています。GigEインタフェースを活用することで、これら合計6台のカメラの画像を1台のPCで取り込み、検査を行っています。 これにより、低コストな多面検査システムを構築できています。


   無限長検査:GigEラインセンサによる安定・正確な取り込みの実現

LinXExpressでもたびたび事例を紹介しているように、ロールtoロールのような無限長ワークの検査アプリケーションでは、ラインセンサーが広く活用されています。

 
 

搬送系と撮像のタイミングの同期をとるために、ラインセンサのエンコーダ同期機能が利用されます。Basler社のGigEラインセンサには、カメラ本体にエンコーダ信号を入力できるI/Oが搭載されています。これにより、通常のカメラリンクラインセンサと同様に、GigEラインセンサでもエンコーダ同期が可能です。Basler社のGigEラインセンサーは、2相エンコーダの逓倍機能や分周機能にも対応することができます。

 

図:カメラリンク/GigEラインセンサーのエンコーダ信号入力


また、撮像と検査を延々と繰り返す中で、取りこぼしの発生は許されません。 LinX Express No.143では、カメラリンクラインセンサーと画像取込ボード銀河の組み合わせによる、アヤハエンジニアリング殿の無限長取り込みアプリケーションを 紹介しました。加えて、Basler社のGigEラインセンサーは、カメラ内部に画像格納用のメモリ領域を確保しており、データ送信タイミングの変動をカメラ側で吸収し、取りこぼしの無い安定した無限長取り込みを実現します。

 

図:カメラリンク/GigEラインセンサーのリングバッファ構成


  ラインセンサーの決定版:racerシリーズ


Basler社の新世代ラインセンサー、racerシリーズの出荷準備が着々と進んでいます。従来の常識を覆す圧倒的な低価格と性能で、お客様の装置の価値向上に貢献します。

次号のLinX Expressでは、racerの特徴、画質性能について詳細に紹介いたします。

【racerシリーズ(カメラリンク)詳細はこちら】
【racerシリーズ(GigE)詳細はこちら】

 


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