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BASLERカメラ適応事例:A B Graphic International社
〜高速ラベル検査装置〜
印刷業界におけるインライン検査では、多彩かつ高精細な欠陥検査に対して、非常に厳しいタクトが要求されます。
本号ではBASLER社Camera Link対応sprintカメラを搭載することにより実現した、高速ラベル検査装置の事例を紹介します。
本事例では、高感度・高速取込を実現するDual Line CMOSセンサー搭載sprintカメラの特長を活かし、高速かつ精密な
ラベル全数検査を行っています。
※本事例はA B Graphic International社(英国)のBaslerカメラ適用事例です。
A B Graphic International社は、豊富で革新的な画像検査装置と販売後の包括的なサポートにより、
ラベル・パッケージング業界における世界的なリーディングカンパニーです。
プレス機や仕上げ機などにおいて、100%自動のラベル印刷ソリューションをユーザーに提供するために、A B Graphic International社は高速カメラを用いた画像検査モジュールを開発しました。この画像検査モジュールでは、多様な検査ニーズに対応可能な柔軟な設計により、
紙や反射するプラスチック、金属膜など様々な対象物に印刷されるラベルの全数検査が可能です。
印刷業界では、一般的にタクトタイムが最も重要な要素です。高速性に加え、印刷物検査装置ではキズ、誤植、インク染み、印刷ズレ、色ズレなど数多くの欠陥を検出する能力が求められます。
また、バーコードやOCR、点字検査、あるいはラベル上の特定の点の距離を計測するなど、対象ユーザーに応じて様々な機能を追加する必要もあり、高速性だけではなく、高解像度や色の再現性などもカメラに要求される重要な仕様となります。
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検査システムの性能を引き上げるsprintカメラ
A B Graphic International社は、高速画像取り込み、高解像度、高画質というユーザーからの高い要求に対応するため、
BASLER社sprintカメラを採用しました。検査システムでは、spL4096-39km、またはspL2048-70kmのいずれかが用途により選択され適用されています。
BASLER sprintシリーズは、印刷業界における検査アプリケーションに不可欠な多彩な機能を提供しています。
A B Graphic International社の検査システムではsprintシリーズに実装された次のような機能が活用されています。
◆ Dual Lineセンサー ◆
time-delay方式により、対象中の同じ箇所(撮影ライン)を2度撮影して積算するモードを提供しています。
この方式では、カメラ内部のメモリに1回目の撮影データを格納し、2回目に撮影した結果と合成して画像データを出力します。
これによりセンサーの感度を高める効果を生み出し、SN比を3dB向上させ高画質な画像を取得することができます。
◆ シェーディング補正機能 ◆
検査を行う際に実際に画像を撮影すると、光学系や照明などの影響により画像中の輝度値が不均一になる現象が発生します。
この現象を抑えるシェーディング補正機能をsprintカメラは標準提供しており、撮影環境に合わせた補正により均一性を保つことができます。
◆ AOI機能 ◆
検査したい対象領域のみを取得できるだけでなく、画像の取り込み速度をさらに向上させることが可能です。
A B Graphic International社の画像検査システム『fleyeVision』では、spL2048-70kmまたはspL4096-39kmを用いて、1ピクセルあたり最大50μmの分解能設計により印刷物中の非常に小さな欠陥であっても鮮明に映し出します。
A B Graphic International社の営業部長であるChrister Markgraf氏は次のように述べています。
「速度とコストに加え、お客様は最小欠陥サイズのカスタマイズ、すなわちセンサーのピクセル数と視野(幅)によって決まるピクセル分解能を用途に応じて選択できることを希望しています。BASLER社のカメラはこれらの要求に対応できるだけでなく、画質が要求される場合にも対応可能な非常に良い選択となりました。」
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