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リンクスが2011年12月に販売を開始した縞投影3次元センサーShapeDriveは、新しい3次元の可能性を拓くツールとして大きな注目を浴びています。今号では様々なシーンにおけるShapeDriveの適用可能性についてご紹介いたします。

 

   素材の違いにおける適用可能性

ShapeDriveセンサーは、対象物に複数パターンの縞模様を投影し、そのパターンの変化をイメージセンサで取得し解析することで対象物3次元形状の計測を行います。そのため、対象物の表面形状や反射率によって計測できる範囲や条件が異なります。

ここでは、様々な材質、色、形状の対象における計測の可能性についてご紹介いたします。

 

   材質・色の異なる多種ワークにおける計測結果

ShapeDriveセンサーで計測を行うためには、その縞模様が対象物表面にある程度明瞭に映る必要があります。以下に示すような様々なワークにおいて、密な3次元計測データを取得することが可能です。

 




金属(黒色プレート)
金属(クランプ)
金属(ニッパー)
 



プラスチック(マウス)
プラスチック(フロッピー)
プラスチック(コネクタ)
 



革製品
木材
ゴム製品

 ■ ShapeDriveセンサーの応用

一方、完全に透明な物体や鏡面などでは、照射した縞模様が映らないため、その形状を計測することが出来ません。また、完全な鏡面ではなくても反射率が非常に高い(光沢のある)場合には、光の正反射により部分的な計測の抜けやノイズが生じる可能性があります。

しかしながら、撮影時の工夫により適用の可能性を広げることが可能です。例えば光沢のある対象において、正反射が写りこまないようShapeDriveを斜めに配置することにより、抜けを抑えたデータを取得することが可能となります。 

 

 ■ 真上から撮影した場合


 ■ ShapeDriveを傾けて撮影した場合


 

もし撮影の時間が数秒取れる場合は、露光時間を変更し複数回撮影を行うことで抜けの無いデータを取得できる可能性もあります。この方法は、例えば基板など反射率の異なるコンポーネントが混在する場合にも効果的です。 

 

   ShapeDriveセンサーがもたらす新たな画像処理技術

ShapeDriveの登場により、従来の3次元計測で必要とされた煩雑なキャリブレーションを全く必要とせず、かつミクロンレベルの高精度計測を低価格で実現できるようになりました。ここでは、このShapeDrive活用による新たな画像処理技術の可能性の一部をご紹介いたします。

 

   3次元検査への適用

打痕傷や欠肉などの立体形状検査のニーズは古くからあるものの、2次元画像処理では欠陥の検出精度に限界がありました。また3次元計測センサはそのコストやタクトからインライン全数検査への適用が難しく、まだまだ目視検査が広く採用されています。この様なシーンにおいて、高速かつ低価格なセンサーとしてShapeDriveは非常に注目を浴びており、既に海外では24時間インライン検査への適用へと広がりを見せています。

 

 ■ ピッキング

シーンの密な3次元データは検査用途だけでなく、対象物の位置姿勢認識や個数カウントなどの用途においてもご利用頂けます。HALCON10にて追加された「サーフェスマッチング」と組み合わせて頂くことで、対象物の3次元的な位置決めを簡単に実現できます。

 

 ■ 体積計測

この3次元データを用いる新たな可能性として、体積計測をご提案できるようになりました。2次元データからでは獲得できない高さ情報を組み合わせることで、体積や重量の推定など、より高度な品質管理を行うことが可能となります。

 ■ 2次元画像処理との組み合わせ

3次元のデータを容易に取得することが可能となり、3次元外観検査、位置計測、リバースエンジニアリングなど様々な適用可能性が広がりました。しかしながら、全てのケースにおいて3次元が有効というわけではなく、2次元画像と3次元データを上手く使い分けることが今後の画像処理においては重要となってきます。例えば、ひっかき傷の様な微細な欠陥では、ShapeDriveセンサーで3次元的に欠陥を抽出することが困難です。これは、欠陥にほとんどくぼみが無く、またShapeDriveセンサーがピクセル単位で対象物の3次元座標の値を計測するためです。また、高速性の求められるシステムでは現段階での3次元処理の適用は難しく、2次元画像処理が必須となってきます。

 

   撮影条件における適用可能性

ShapeDriveはパターンを投影するアクティブなセンサーであるため、模様のない対象物でも密な3次元データを獲得可能です。またShapeDriveは静止状態の対象物に対して立体形状を計測でき、その点において光切断との対比が行えます。

ShapeDriveを用いる最大の利点として、キャリブレーションや特殊な治具を必要とせず、ミクロンレベルの計測を低コストで行える点が挙げられます。GigE接続によりお使いのパソコンにつないでいただくだけで、高速・高精度な計測を実現可能です。


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