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   銀河シリーズ適用事例 「株式会社アヤハエンジニアリング殿」

今号では銀河digitalボードの機能を効果的に使用した適用事例として株式会社アヤハエンジニアリング殿の電極シート検査装置を紹介します。

本装置は、最先端のEV、HVには欠かせないリチウムイオン2次電池の素材となる電極材の検査装置です。電極シート上に塗布されたリチウムイオンの塗布状態をラインセンサーで撮像し、画像処理ライブラリHALCONを用いて、適切な幅分だけ塗布が行われているか、塗布異常がないか、異物などの欠陥がないか等、複数の項目を瞬時に検査し、なおかつ欠陥の品種ごとの分類までを実現しています(詳しくはこちらを参照)。

電極材の製造ラインは数千メートルの連続稼働が前提であることが多く、長時間ノンストップで無限長検査を安定稼動させる必要があります。 

   

アヤハエンジニアリング検査装置イメージ 

 

ラインセンサーカメラと銀河digital-CL2e-DLボードの組み合わせで画像を撮像します。銀河ボードはローターに取り付けたエンコーダ信号に基づきカメラからの画像信号をキャプチャーします。この取り込みは、連続取り込みモード(Continuous Grabbingモード)にて画像処理とは非同期に行われ、現在の取り込んだ画像の格納位置と画像処理側が使用しているバッファの位置が監視できる仕組みとなっています。  

 

リングバッファ

 

大量の欠陥が含まれる場合など画像処理の検査タスクが通常のタクトタイムに比べ大幅に増大した場合、通常の取り込み手法にて行うと次の取り込みのスタートをかけることができず、検査抜けが発生してしまいます。PCベースでの検査装置を構築する場合において、これは致命的な問題であり、これを防ぐためにいままで検査処理をFPGAに実装しハードウエアにてリアルタイムで動作させていました。しかしながら、FPGAのプログラミングには莫大な工数を割かねばならず、客先ニーズに柔軟に対応することは非常に困難でした。

銀河ボードの持つこの連続取り込みモードを使用することで、リアルタイム性が保証されないPCベースでの画像処理の検査タスクをリングバッファが吸収し、それらバッファの位置を監視することで検査が間に合わないときにはオーバーフロー時用の処理をかけるなど、現在の状態に応じたフィードバックを行うことができるようになり、FPGAを用いずにPCベースでの検査装置を構築することができるという確信を得るに至っています。
 

 

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