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※LinX Express は、日頃お付き合い頂いているお客様、展示会やセミナー等でお名刺を戴いた方、また、雑誌やホームページから引合を戴いた事のあるお客様へ配信させて戴いております。

 
このたびの東日本大震災により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
皆様の安全と被災地の一日も早い復旧をお祈り申し上げます。
 

   「ソフトの革命。」 - ソフト技術が実現する最新特殊機能 -


ace - ソフトの革命

 

従来の産業用アナログカメラでは、その構成要素の大部分はハードウエアコンポーネントでした。しかし、GigEカメラを代表とするディジタルカメラでは、FPGAプログラムやドライバといったソフトウエアがコア技術を握るようになりました。いかにこれらのソフトウエアを上手く実装するかで、産業用カメラの品質と性能、コストを左右する時代となりました。BASLERはこれからもソフト技術の新しい基準を打ち立て続けます。
  
本シリーズ企画 BASLER ace 『ソフトの革命。』の第四回では、BASLER社のソフト技術による最新実装機能および実装予定の先端技術についてご紹介します。
  

 カラー補正機能 (acA750-30gcおよびacA2500-14gcに実装済み)

RGBカラー空間におけるHue(色相)、Saturation(彩度)の値を、各色情報について調整する機能が実装されています。 この機能を活用することで、各アプリケーションに対してより適した色味を再現することが可能です。
本機能では、主要な3つの色情報 Red、Green、Blue に加え、それぞれを組み合わせた際に生成できる以下の3つの補助的な色情報を調整することができます。

■ 補助的な色情報
・Yellow : RedとGreenの混色
・Cyan : GreenとBlueの混色
・Magenta : BlueとRedの混色

カラー空間は、主要な色情報であるRGB、補助情報であるYCM、さらに残りの2つの頂点を Black、White が構成するカラーキューブとして定義されます(下左図)。
イメージを簡単にするため、このカラーキューブを平面上に投影すると下右図のように六角形(カラーヘキサゴン)で表すことができます。RGBカラー空間上の任意の色はこのカラーヘキサゴン内に存在しており、カラーヘキサゴンの頂点を構成するRGB、YCMの6つの色情報それぞれのHueおよびSaturationの値を調整することで表現できます。本図では、R情報においてHueおよびSaturationの値を調整する例が示されています。
pylonではこのようなカラー補正のためのパラメータを用意しており、アプリケーションに最適な色味を実現することが可能です。



 
RGB(主要なカラー情報)とCMY(補助的なカラー情報)により定義される『カラーキューブ』
 

 


 
カラーキューブを2次元平面に投影した『カラーヘキサゴン』
 

 

 自動パケットサイズ調整機能(実装予定)

GigEカメラでは、画像データをパケット通信により伝送しますが、この際のパケットサイズはCPU負荷や伝送の安定性に影響する重要な要素の一つです。このサイズはカメラ設定により自由に変更でき、ネットワークデバイスの許容できる範囲内で設定することができます。
理論的には、このサイズは大きいほど負荷を下げることにつながりますが、実際には使用環境によりパフォーマンスは異なり、最適な設定は特定の環境にてユーザが試行錯誤で見つけ出す必要があります。
 
BASLER社では、このようなユーザ負荷を軽減し常に最高パフォーマンスで画像取り込みを実施できるように、最適なパケットサイズをハードウエア構成に合わせて自動的に調整する機能の実装を計画しています。 この機能を適用するだけで、ユーザは調整を行うことなく最高パフォーマンスでカメラを使用することが可能になります。 
  
  

  

 

 
自動パケットサイズ調整機能

 IEEE1588対応による精密同期(実装予定)

どれだけ高速に画像処理が行えたとしても、画像を撮像した瞬間と、その解析結果に基づきロボットなどのデバイスが動作を開始するまでには必ずタイムラグがあります。このタイムラグを厳密に考慮してデバイスに精確な動作指示を出すようなシステム(ビジュアルサーボシステムなど)では、カメラとコントローラを含む各デバイスの精確な同期が必要不可欠です。
  
デバイス間のより精確な同期を実現するプロトコルであるIEEE1588プロトコルは、非同期のパケットネットワークを経由して、マスタークロックからスレーブクロックに高精度な時刻情報を精確に転送できるよう規定しており、IEEE1588に対応したデバイスは、特定の時刻に動作をする、といった命令が容易に実行できるようになっています。例えば、ネットワークにロボットコントローラ、カメラ、照明が接続されているとき、ロボットがある姿勢になる瞬間に照明を発光して撮像を行う、といった動作が可能になります。


BASLER社は現在、このIEEE1588を組み込んだファームウェアの開発を進めています。これにより、複数台のカメラ同士や、IEEE1588に対応した搬送系機器やロボットとのμsecレベルでの同期が可能になります。ハードウェアトリガーなしにカメラの精密な同期が取れるということは、システムの柔軟性を増すことができ、ロボットビジョンシステムの市場価値を高めることに繋がります。このような将来性の高い最新機能をいち早く搭載できる点は、産業用カメラの規格策定においてリーダーシップを取っているBASLER社の強みです。  
  

 
シリーズにてお伝えしてきたように、BASLER社は高いソフト技術力により、安定性、特殊取込を実現する数多くの機能を実装してきました。また、産業用カメラ市場を積極的にリーディングすることで、最新技術をいち早く実装し、市場に付加価値のある製品を提供すべく開発投資を続けています。
BASLER社の取り組みに今後も注目いただければ幸いです。
 
  


 

   BASLER GigE体験トレーニングコース

リンクスでは、BASLER GigEカメラを用いて画像の取り込みなどを体験する『BASLER GigEカメラ 体験トレーニング』を毎月定期的に開催しています。本トレーニングでは大人気のGigEカメラ「BASLER ace」シリーズを実際に操作しながら、取り込みに必要な知識を習得していただけます。是非ご参加ください。
 
 【BASLER GigEカメラ 体験トレーニング】
 ■ 日時:
   2011年7月29日(金) 13:30〜17:00
   2011年8月26日(金) 13:30〜17:00
   ※2011年6月17日、21日開催はすでに定員に達しています。
 ■ 参加費:無償
 ■ 定員:8名
 ■ 場所:弊社セミナールーム  
 
■ お申し込みURL:
   https://linx.jp/event/training/
      

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