ウェッジボンド検査では、パッド上に正しくワイヤーがボンディングされているかどうかの検査(図1 参照)を行います。
この検査で難しい点は、基板のパターンが背景としてある中で、ワイヤー部分やボンディング部分、さらにはパッド部分を検出する必要があることです。
まず初めに、安定したパッドの位置決めを行うためのパターンマッチングモデルを生成します。実際の画像からモデルを登録するとノイズが多く、個体差も大きくなるため
、ここでは人工的に理想的なパッドの輪郭をモデルとして用意します。HALCONでは、任意に用意したエッジをマッチング用モデルのエッジとして登録することができます。
この時点ではあくまでエッジ情報のみとなっているので、さらに、エッジに極性(polarity: エッジにおける変化 [白から黒へ、など])情報を追加するために、
原画像で一度サーチし、その結果から極性(polarity)情報をモデルに追加しています(図2)。
パッドの位置はパターンマッチングにより決定できたとしても、ウェッジボンド検査のためにはワイヤーからボンディング部分までの領域を複雑な背景の中から抽出する必要があります。
これに対し、HALCONは下記アプローチにより、ウェッジボンド検査を実現しました。
[Step1]
意図的に画像を圧縮してライン検出
[Step2] 解析範囲を絞込んでウェッジボンド検出
[Step3] ウェッジボンドの欠陥部検出