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※LinX Expressは、日頃お付き合い頂いているお客様、展示会やセミナー等でお名刺を戴いた方、また、雑誌やホームページから引合を戴いた事のあるお客様へ配信させて戴いております。
    

 【新事業】リアルタイム・ハイパーバイザー取扱開始

株式会社リンクスは、本日2010年9月1日より、Real-Time Systems GmbH社(以下RTS社、
ドイツ/Ravensburg)の国内総代理店として、製品の取り扱いを開始することをご案内申し上げます。 RTS社は、リアルタイムOSの仮想化技術における世界最先端のソリューションを提供する会社です。主力製品であるReal-Time Hypervisorは、Intel VTテクノロジーを搭載したx86系マルチコアCPUに、複数のリアルタイムOS(VxWorks、QNX、

Real-Time Systeems GmbH

ユーザ独自OSなど)と、Microsoft WindowsやLinuxといった汎用OSを同時に動作させる技術を提供します。RTS社はIntel Embedded Allianceプログラムのメンバーです。

株式会社リンクスは1990年の創立以来、制御そして画像処理という2つの分野にて着実に成長してきました。そして、本日より新たな分野としてReal-Time Hypervisorを中心とする、x86系プロセッサを用いた組み込み分野の発展に貢献することをお約束いたします。今後も『世の中の一歩先を行く製品を市場に提供する』という経営理念に基づき付加価値の高い製品を提供し続けるとともに、『求められているものを、求められている以上のカタチで提案する』というモットーに基づき、プロ集団としてのプライドと熱意をもって尽力いたします。 今後も弊社取り扱い製品をご愛顧賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

    

  

 リアルタイム・ハイパーバイザー概要


現在のプロセッサの演算能力の向上はマルチコア化に委ねられ、コア数は今後も継続して増加します(図1)。

一方、半導体製造装置や工作機械を初めとした産業用装置、またロボット、医療などの組み込み分野においては、組み込み系の専用プロセッサが1台の装置に複数存在し、これらの各プロセッサ単体での稼働率はそこまで高くありません。また、ユーザインターフェースにはWindows搭載の専用PCを設置、もしくはリアルタイムOS上で何とか構築しているのが現状です。これらの分散されたプロセッサを、マルチコア技術により1台のPCに集約することで装置のコンパクト化とコスト削減を実現し、Windowsが提供するユーザインターフェースなどの利点を組み込み用途で使用可能とするのがReal-Time Hypervisorです(図2)。

ムーアの法則

図1:ムーアの法則と
Intelアーキテクチャ
ムーアの法則


ハイパーバイザー

図2:複数PCを1PCへ統合
ハイパーバイザー



【図3】RTH動作概念図


具体的には、Real-Time Hypervisorとはシステム起動時にロードされる仮想化ソフトウエアです。システム起動順序としては、まずBIOS起動後にHDDのMBR(マスターブートレコード)に格納されたブートローダ(GRUBなど)が起動します。ブートローダがReal-Time Hypervisorをロードすると、Real-Time Hypervisorは各OSにハードウエアリソースを割り当て、そして各OSを一斉に起動します。

ここでReal-Time Hypervisorに求められる技術は、いかにマルチコア上に搭載された複数OSを完全に分離した堅牢なシステムを構築できるかです。また、各リアルタイムOSが遅延無くリアルタイム性を保つことも重要な要因です。

RTS社の提供するハイパーバイザー技術は、これらの要求を確実に満たします。

ホストOSという概念を払拭し、すべてのOSが、割り当てられたCPUコア上で対等に動作します。ただし、WindowsやLinuxといった汎用OSはハードウエアを動的に使用する可能性があるため、これらの一般OSがハードウエアにアクセスしようとする際に、必ずIntel VTを介してRTHがその要求をキャッチし、そのアクセスが安全であるかの判断を行います。また、動作が保証されているリアルタイムOSは、Intel VTを介さずに直接動作させることで、最高のリアルタイム性を保証します。

このように各OSが完全に独立して稼働するため、任意のOSを、他のOSへ全く影響を与えずに再起動することができます。 リアルタイムOSがリアルタイム処理を実行中に、Windowsのみ再起動するといった運用が実現可能です。

すでにVxWorksやQNX、または独自OSで動作が保証されているリアルタイム環境を、そのままハイパーバイザー上に移植することができます。その移植の簡易さもハイパーバイザーに求められる重要な技術であり、RTS社のReal-Time Hypervisorはその労力を最小限に抑えられる設計になっています。

 

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