header

 HALCON によるマシンビジョンソリューション

2月25日・26日・27日に京都・名古屋・東京にて開催したマシンビジョンソリューションセミナーは大盛況のうちに幕を閉じることができました。LinX Expressでもアンケートの結果を基にセミナーで発表した内容の中から注目を集めたトピックを抜粋して配信していきます。前号で紹介したラインセンサーでのカメラキャリブレーション機能に続いて、今号ではラインセンサーのモザイク処理について紹介します。

『リンクスソリューション』 No.1:ラインセンサーカメラキャリブレーションはこちら
<
https://linx.jp/image/news/express/2009/linx_express_i09073.shtml> 

ラインセンサーモザイク処理


より高精度・高解像度な画像処理が必要となる場合、カメラの横方向の画素数には限界があるため、1台のカメラでは要求仕様を達成できないことがあります。 このような場合にはカメラを複数台設置し、それぞれの画像を重ね合わせることにより、一枚の広視野・高解像度画像を作成する手法が良く用いられます。このような処理をHALCONではモザイク処理と呼んでいます。

モザイク処理を行う際に問題となるのが、レンズ歪の影響です。歪が発生している画像を用いてモザイク処理を行うと、画像の端での歪曲が原因となり、画像の継ぎ目がはっきりと見えてしまうなどの問題が発生します。また、レンズ歪は計測の精度にも非常に悪影響を与えてしまいます。


 


ラインセンサーモザイクシステム構成例


このような問題に対して、第73号で紹介したHALCONのカメラキャリブレーション機能を活用することで、貼りあわせる際に問題となるレンズ歪の除去やカメラの傾きの補正を行うことができるだけでなく、カメラとカメラの位置関係も厳密に定義できるため、高精細かつシームレスな1枚画像を得ることが可能です。


 

モザイク処理は隣接する各画像間で一致する特徴点を検索し、貼り合わせを行います。HALCONではこれに加えて、モザイク処理に用いられた画像すべてを用いてバンドル調整による最終的な微調整を行うことが可能です。これにより、単一の隣接画像ペア間での位置補正に比べて、より精確な貼り合わせが行われます。

また、各画像間の輝度値の違いから自然なモザイク画像を生成できないといった問題もモザイク処理ではよく起こります。これに対しても、HALCONでは自動で輝度値を補正する機能を有しており、自然なモザイク画像を生成することが可能です。



ラインセンサーモザイク処理例


 
ラインセンサーモザイク処理の機能要約

 画像の貼り合わせで広視野に対して高解像度の画像を生成
 
カメラキャリブレーションとの組み合わせにより、高精細かつシームレスな画像を生成
 バンドル調整によるモザイク画像の微調整
 ■画像間の自動輝度値補正