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HALCON
性能評価
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シリーズ企画
『HALCON特長機能』 の第4弾、第5弾ではHALCONの大きな特長である高精度位置決め・高精度計測機能に関して紹介します。画像処理における精度に関しては皆さんの関心の高いトピックであると思います。HALCONでは1/10〜1/50ピクセル精度での計測が可能です。世界最高性能と賞賛されるHALCONの計測精度について、実際に評価した結果を紹介します。 ■
性能評価(1) マッチング精度 (Vol.061にて紹介) ■
性能評価(2)
ステレオビジョンによる3次元計測精度 |
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性能評価(2) ステレオビジョンによる3次元計測精度 |
画像処理業界ではますます3次元処理機能への要求が高まってきています。HALCONはマシンビジョンソフトウエアとして3次元画像処理機能を標準で提供する世界で唯一の製品です。
今回はHALCON性能評価として、HALCONの様々な3次元処理機能の中から、2台のカメラを使用したステレオビジョンによる計測精度を評価した例を紹介します。
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ステレオビジョン計測精度評価(1) |
精密Zステージ(分解能10μm以上)にキャリブレーションプレートを乗せ、50μmずつ高さを変えながら、プレートの中心部の高さをステレオ計測。
左右の画像でセンターマークを抽出し、その視差から距離を算出する。
■マッチング対象
・キャリブレーションプレート
■視野
・90×70 mm
■画像サイズ
・640×512 ピクセル
■検証画像
・198枚
(11箇所 × 各位置で18枚)
■ステージ分解能
・10μm
■ステージ移動量
・50μmずつ移動させて計測を行う
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図1 計測対象(キャリブレーションプレート)
図2 計測環境
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ステレオビジョン計測精度評価(1) 結果 |
左右の画像のキャリブレーションプレートの中心をパターンマッチングによって検出し、HALCONオペレータの1つであるintersect_lines_of_sightを用いてキャリブレーションプレートの中心点の三次元位置をステレオ計測しています。オペレータintersect_lines_of_sightは、HALCONの高精度な計測機能と3次元カメラキャリブレーションを基本として実現される機能です。
計測結果を図3に示します。キャリブレーションプレートの高さを50μm変化させるたびに18回の撮影と計測を行っています。図3から、50μmステップの高さ変化を確実に捉えていることがわかります。
※パターマッチング精度についてはVol.061を参照ください。
※intersect_lines_of_sightの活用事例として「Rodenstock
GmbH社の適用事例」も参照ください。
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図3 ステレオビジョンによるキャリブレーションプレートの高さ位置計測
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ステレオビジョン計測精度評価(2) |
精密Zステージ(分解能10μm以上)にコルク板を乗せ、50μmずつ高さを変えながら、コルク板の高さをステレオ計測。
距離画像に平面フィッティングを加え、その平面までの平均距離を算出する。
■マッチング対象
・キャリブレーションプレート
■視野
・90×70 mm
■画像サイズ
・640×512 ピクセル
■検証画像
・198枚
(11箇所 × 各位置で18枚)
■ステージ分解能
・10μm
■ステージ移動量
・50μmずつ移動させて計測を行う
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図4 計測対象(コルク板)
図5 計測環境
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ステレオビジョン計測精度評価(2) 結果 |
左右の画像の見え方のずれ(視差)から距離値を算出し、距離画像を生成するbinocular_distanceオペレータを用いて、コルク板の高さを計測しています。
binocular_distanceオペレータは、グレイ値マッチング機能を基本として左右の画像の視差を求め、距離画像を算出するステレオビジョンの機能です。今回の計測対象はコルク板であり、テクスチャを豊富に含んでいるため、グレイ値マッチングにより視差を精度良く検出することが可能です。さらにステレオビジョンにより得られた距離画像に対して平面フィッティングを適用して、カメラ座標系原点からその平面までの距離を高さとして算出しています。
計測結果を図6に示します。コルク板の高さを50μm変化させるたびに18回の撮影と計測を行っています。HALCONによる高精度なキャリブレーションとグレイ値マッチング機能に加え、平面フィッティングによる安定性向上の結果、各高さにおける計測値のばらつきはほとんどないという結果を得ることができています。
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図6 ステレオビジョンによるコルク板の高さ位置計測
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ステレオビジョン計測精度評価(3) |
工業部品の位置姿勢を大きく変えながら撮影(画面の中央部だけでなく、端から端まで使用)し、部品上の2点間の距離を計測。
■マッチング対象
・工業部品
■視野
・200×150 mm
■画像サイズ
・1280×1024 ピクセル
■検証画像
・10枚
(異なる位置・姿勢にて撮像)
図7 計測対象(工業部品)
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図8 セットアップ
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図9 計測環境 |
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ステレオビジョン計測精度評価(3) 結果 |
HALCONでは左右の画像それぞれにおいて、パターンマッチングをベースとした楕円検出により、計測対象の2つの穴の中心位置を高精度に検出します。得られた左右の画像上の穴の中心位置から、HALCONのintersect_lines_of_sightオペレータを用いてそれぞれの穴の中心の3次元位置を計算し、最終的に穴と穴の距離を計算することで、世界座標系における高精度な3次元距離計測を実現します。
工業部品の位置・姿勢を変えながら10枚画像を撮像し、部品の2つの穴の距離を計測した結果、以下の計測値が得られました。部品の位置・姿勢が大きく変化し、画面上の2つの穴の間の距離(ピクセル単位)が大きく変動するにも関わらず、ステレオ計測の結果得られる距離値のばらつきは、±0.07mm以内に収まっています。
計測値: 119.851mm〜119.993mm(±0.07mm)
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図10 ステレオビジョンによる位置・姿勢の変化する場合の距離計測
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今回の性能評価により、HALCONの持つ3次元処理機能の1つであるステレオビジョンの計測精度の高さを証明することができました。撮像環境が大きく影響する画像処理において、1台ではなく2台のカメラを用いるステレオビジョンは、さらに条件が厳しくなります。そのような条件下においても、HALCONでは、より実アプリケーションに近い評価(3)のような高度な計測を実現することが可能です。
さらには、視野を狭める、カメラ間距離(ベース)を広げるなど、計測対象に応じて機器を選定することで、例えば半導体・電子部品業界で求められるような数μm精度の計測も可能です。
HALCONの持つ高精度な3次元処理機能を是非活用ください。
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