ToFセンサー:
CCD/CMOSハイブリッド・センサー epc シリーズ
ToFセンサのラインナップは、1x1px、 8 x 8px、 320 x 240px (QVGA)と幅広く取り揃えています。面での距離計測を行い、距離画像の撮像も可能となります。
本製品の特長として、屋外利用の難しかった従来のToF とは一線を画して、太陽光への外乱光耐性(13万Lux)を実現することができます。
ESPROS社:自社の半導体製造工場(FAB)で設計・製造
ESPROS社のToF用CCD/CMOSハイブリッド・センサーは、自社FABで設計・製造することで下記のような機能特長を実現しています。
-
目的に合わせて選べる3つの解像度
3種類のセンサーラインナップを用意。1点測距センサを開発できる1 x 1pxや、ToFセンサの強みの1つである”面”での測距を実現する 8 x 8px、 320x240pxといった解像度をラインナップ。目的に合わせて選定ください。
また、各センサーごとに用意された評価キットで、すぐに撮像テストが可能です。
-
外乱光耐性:静電容量の引き上げ
一般論として、ToFセンサーにとって太陽光のような外乱光は、露光過多による飽和状態(俗に言う”サチった”状態)を招き、計測ノイズの原因となります。
ESPROS社は、センサーが受光できる光の上限量、つまり静電容量を大幅に引き上げることで、飽和状態の起きにくい設計を施し、高い外乱光耐性を実現しました。
-
裏面照射:大幅な感度の引き上げ
センサーを裏面照射(BSI)とすることにより受光部分の面積を大幅に引き上げることができ(フィルファクター100%)、高感度を実現しました。
これにより少ない光でも拾うことができるため、測距に使用する投光デバイス(LED/LD/VCSELなど)は出力のより小さいものが使用できます。
-
LEDドライバをセンサーに内蔵
本製品は、受光素子のみではなく、ToFとして機能するために必要な投光デバイス用駆動回路も内蔵しています。ユーザーは用途に合わせてLED/LD/VCSELなどの投光デバイスを選定する必要がありますが、発光のタイミングなどは本製品が直接コントロールすることができます。
多彩な分野での採用事例
ToFの特長を活かして下記のような分野で幅広く採用・検討されています。
センサーラインナップ:仕様
動作原理
ToFカメラの動作原理
ToF(Time of Flight)は、カメラ筐体の投光する光が計測対象物に反射して戻るまでの時間を測定することで距離計測を行う仕組みです。特に複数画素になるほど、光速の時間差というごく短い時間を捉えるための回路設計が難しくなります。
epcシリーズを使用したToFカメラ内部構成例
epcシリーズ(ToFセンサー)自身が投光と受光のタイミングを制御しつつ、光速の計測を1ピクセルごとの受光素子に内蔵された内部回路で数値演算することで実現します。本製品のほか、投光デバイス(LD/LED/VCSEL)や、距離値・距離画像生成を行う後段のFPGA/MPUがカメラとして必要になります。
詳細仕様
-
全般仕様
- 裏面照射
- ROI設定モード(数kfpsまで到達可能)
- binningモード搭載
- 温度センサー4ヶ搭載
- 消費電力 約 0.75W(平均)
- 動作温度 : -40 ... +85°C
- ROHS対応
-
センサーのデータ出力仕様
- パラレルデジタルデータ・インターフェース(TCMI)
・ max. 80MS/s データレート, 電圧:2.5/3.3V 対応
・ 12/8-bit parallel DATA output + XSYNC/SAT flag
・ VSYNC, HSYNC
(‘ITU-R656 ’ライクな HW 同期)とDCLK output
-
I2C コントロール・インターフェース(slave)
- 400kHz (FM) / 1MHz (FM+)
-
内蔵EEPROM 128 x 8-bit
- キャリブレーションデータなど保存可能
- チップのユニークIDを保存可能
-
システムクロック / 変調クロック
- システムクロック: 4MHz, 外部クロック可
- 外部 LED/LD modulation
-
LED/LD変調モード
- 変調周波数は0.625~20MHz より選択可能
(計測距離:7.5m~240mに相当) - 高精度なSHUTTERコントロール
-
非・距離計測モード
- 外乱光計測モード搭載(投光なし露光)
- グレースケール画像モード
マルチスペクトルセンサー:
「SPM64」評価キット
ESPROS社は、得意の裏面照射技術を活かして、マルチスペクトルCMOSセンサーを新たに開発しました。センサに搭載する8x8のバンドパスフィルタは、米国のVIAVI社と協業する形で実現しています。
センサー単体での販売開始に先立ち、評価キットをリリースしました。

専用の取込ソフトウェアで、すぐに評価が開始可能