高感度・外乱光耐性 ToFセンサー
ESPROS製「epcシリーズ」の紹介

ESPROS Photonics(以後、ESPROS)はスイス Sargansに拠点を置くCCD/CMOSセンサーメーカーです。自社の半導体工場を敷地内に有しており、高感度・外乱光耐性というユニークな特性を持つToFセンサーを開発・製造しています。

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ToFの原理とこれまでの課題

ToF方式の距離測定では、ToFセンサーユニットが投光する光が測定対象物に反射して戻るまでの時間から距離を算出します。

屋外で測定する場合には太陽光と自らが投光した光を見分ける必要があります。これまでのToFセンサーでは、太陽光の大きなパワーにより、受光素子が飽和してしまい、太陽光と自らが投光した光を見分けることが出来なくなり、正しい距離を計測することが出来ませんでした。

ESPROSが開発したepcシリーズでは、独自の技術によりセンサーの飽和容量を通常のセンサーの1000倍も向上させているため、太陽光下でも受光素子が飽和せず、安定した距離測定が可能です。

※その他の技術的な背景については過去のLINX Expressをご参照ください
http://linx.jp/linx_express/i16264/linx_express_i16264.html

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撮影結果

今回行った検証では、320×240ピクセルの解像度を持つepc660センサーを搭載したToFカメラを用いて、屋内・屋外それぞれの環境で撮影を行いました。
距離画像は「近いものは赤」「遠いものは青」という色のグラデーションにより距離を表しています。

以下に示している距離画像は平滑化などの画像処理による補正を行っていない測距データですが、画像処理を適用していないにもかかわらず、屋内・屋外問わず低ノイズで距離情報が得られていることが確認できます。

また、屋外での撮影は、照度計による計測でおよそ8万Luxの太陽光下で行いましたが、ESPROSの外乱光耐性技術により、受光素子が飽和することなく距離が測定できていることが確認できます。

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ToFセンサーepc660評価カメラDME660

今回の評価ではESPROSがToFセンサー「epc660」の性能評価用に提供しているToFカメラ「DME660」を使用しました。

DME660は付属のソフトウェアで各種パラメータを変更しながら距離画像の取得が可能で、距離値のバラつきを簡単に計測できるツールや、Kalmanフィルタでソフトウェア的にノイズ除去する機能等を使用できます。

また、ESPROS製ToFセンサーを用いてカメラ開発を行う場合にはToFセンサー評価キットをご購入していただいております。epc660の評価キットにはDME660の回路図やソフトウェアのソースコードが付属しており、リファレンスとして参考にしながらカメラを開発していただくことができます。

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ESPROS製ToFセンサーの可能性

ToFの技術は距離画像を取得できるということから自動走行の分野では障害物検知などで多く採用されています。

自動車・ドローン・配送ロボットなど、これからの自動化技術で必要不可欠なToFセンサーの需要は今後も急速に拡大することが予想されています。
屋内・屋外を問わず使用できるESPROSのToFセンサーは、これらの需要に対して、最適なソリューションとなることが期待されています。

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ESPROS製ToFセンサー 「epcシリーズ」 ラインナップ

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