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先日、Basler社はdartシリーズにBCONインタフェース搭載モデルをリリースしました。これにより従来、ハードルの高かった組込みビジョンシステムの開発は、より身近なものとなり、機器選択の幅が拡がると予想されます。ただし、全てのアプリケーションにおいて組込みシステムへ移行するべきとは言い難く、それぞれの機器個性における良し悪しを把握しておくことは大事なポイントとなります。
本号では、機器構成別の特徴を抑えたうえで、組込みビジョンシステム開発において開発コスト低減に一役買う、Basler社の提案するBCONインタフェース開発キットについてご紹介します。


機器構成別でみる画像処理システムの特徴

下記図に示す通り、画像処理システムは機器構成別に大きく3つに分類することができます。一般的なPCベース(Cマウントレンズ、カメラ、ケーブル、PC等による構成)のシステムでは、汎用デジタルインタフェースを利用することで導入時の開発工数を抑えることができ、高スペックなCPUによって複雑な画像処理にも対応可能となります。その一方で、PCにスペースが必要なため、省スペース化が難しいことや調達コストに課題があります。
複雑な処理や高速処理が不要な場合において、PCベースにおける課題は、市場に流布するシングルボードPC、ボードカメラを採用することで対処可能となります。ただし、この場合は、シングルボードPCのライフサイクルに起因する長期供給に関しての制限を考慮する必要があります。

例えばスマートカメラのような、同じ機能を有するユニットを大量に生産する必要がある場合、FPGAやSoCが搭載されたプロセスボードとボードカメラをフラットケーブルで接続(LVDSで通信)する組込みビジョンシステムが有効なソリューションとなります。しかしながら従来、こういった組込みビジョンシステムの開発には多大な開発コストが課題となっていました。

Basler社は、この課題に対して組込みビジョンシステム向けに新インタフェースBCONを規格化することで、GigEやUSB3と同様のカメラドライバ「pylon」にてカメラのコントロールを可能にしたり、周辺機器を提供する企業とパートナーシップを結び、BCONインタフェース対応機器の入手性やサポート体制の向上したりと、開発コストの低減に挑戦しています。
以降では、その取り組みの一部である、dart BCONシリーズの開発キットPowerPackについてご紹介します。

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Baslerエンベデッドビジョンシステム用PowerPack

Baslerは前述の通り、dart BCONシリーズによるエンベデッドビジョンシステムの評価/開発をスムーズに実施できることを目的とした、開発キットを用意しています。
サンプルコードやマニュアルも同封されているため、本キットとPCが一台あれば、すぐに画像の取り込みが可能です。
画像取得までの概略は以下の通りで、非常に簡単なものになっています。

 ①USB経由でPCよりボードをブート
 ②シリアルコマンドによりLANのIPアドレスを取得
 ③LAN経由でリモートデスクトップによりウインドウを表示
 ④Windowsと同様にpylonViewerを起動し画像表示

<セット内容>
 ・カメラ(daA2500-14bc)
 ・Sマウントレンズ(F1.6 f8mm 1/2")
 ・FPGA搭載SoCボード(Zynq搭載)
 ・キャリアボード
 ・ケーブル各種:
   フラットケーブル(0.2m)
   USB2.0ケーブル(1.8m)
   LANケーブル(2m)
 ・電源
 ・カメラマウントアダプター
 ・ソフトウェア(microSDカードに搭載)
 ・スタートアップガイド

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ビジョンシステムの構築例

今回は、前述のdart BCON PowerPackと弊社主力製品の一つであるMVtec製画像処理ライブラリHALCONとを組み合わせて組込みビジョンシステムを構築しました。
システムの概要、処理内容は以下の通りとなりますが、詳しくご覧になられたい方は、4月19日より東京ビッグサイトにて開催されるMedtec Japan 2017リンクスブース(東5ホール No.3612)にて展示いたしますので、ぜひお立ち寄りください。

<dart BCON × HALCON Embedded:GS1コードの位置検出・読取システム>
今回作成したデモ機の処理概要です。
 ・dartカメラにより画像の撮像、BCON経由でボードへ転送
 ・ボード上でバーコード認識およびその位置を検出
 ・ボードより結果出力用PCへカメラ撮像画像およびバーコード情報を送信
 ・PCモニターに撮像画像およびバーコード情報を表示

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dart BCON Powerpackでの開発は simple & easy

 ・SSHでの開発も可能だが、開発Windows PCからボードへのリモートデスクトップ接続を使うことでGUIでの開発も可能
 ・ファイル編集はGUIでボード上でも可能
 ・ファイルはUSBメモリでコピー可能
 ・カメラ設定および画像はPylonViewerにより確認が可能(PC環境と同じ)
 ・取込用のサンプルプログラムもすでにインストール済みであるため、すぐにカメラ動作確認が可能
 ・ボード上にはビルド環境(gcc)は既にインストール済みであるため、直接ビルドが可能


Medtec Japan 2017に出展します

リンクスはMedtec Japan 2017に出展します。
本号でご紹介したBasler社のカメラを中心に、初公開となるBasler エンベデッドビジョンシステム用PowerPackの動態デモ機や顕微鏡用カメラやユーザー事例など取り揃えて皆様のお越しをお待ちしております。
ぜひリンクスブースへお立ち寄りください。

【出展展示会】Medtec Japan 2017
【開催日時】2017年4月19日(水)~21日(金)
【開催場所】東京ビッグサイト

【リンクスブース位置】 東5-3612

来場予定の方でBaslerカメラに関して興味をお持ちの方は、ぜひ以下のアドレスから事前のアポイント申し込みをお願い致します。
会場で弊社営業がご説明させていただきます。
メールアドレス:sales_basler@linx.jp

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