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位相モード
heliInspectでは、100nm程度の精度を持った高さ画像を1枚出力する通常の表面計測モードに加えて、数nm精度の計測を実現するための位相モードが用意されています。どんな対象物に対しても適用できる手法ではありませんが、数100nm以下の微細な凹凸や平坦度に限定して高精度に計測したいニーズに対しては非常に有効です。
下記は50nmの高さを持つフォトマスクを通常モードで計測した結果になります。通常モードの計測では公称精度の100nm程度の凹凸としては捉えられるものの、50nmという高さを正しく計測することはできていません。
同じ対象物に対して位相モードを用いた計測結果を下記に示します。位相モードでは50nmの高低差を完璧に捉えられていることが確認できます。
位相モードでの計測は、精度面では通常の計測モードに比べて数10倍の向上をもらたします。速度面では、位相モードでは演算の一部をPCのCPU上でおこなう必要があるため通常モードに比べて計測完了までに200~300msほど多くかかることにはなりますが、1秒以下で数nmオーダーの計測が実現できることになります。また、演算に必要なデータ取得するまでの時間は通常モードとほとんど変わらないため、複数ショットを撮像する場合には計測ヘッドでのデータ取得とPC内の演算をパイプライン的に行うことで通常モードとほぼ変わらない時間での計測が可能となります。
上記のような半導体のエッチング工程の検査や、自動車などでも流体制御系統に使用される部品では流体の漏れ量をコントロールするために数10nm精度での平坦度やテクスチヤが要求されます。こういった検査の自動化に是非検討ください。
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