VisualAppletsによるFPGAブロブ処理の活用

VisualAppletsによる超高速FPGA画像処理では、単純なフィルタ処理や欠陥抽出だけでなく、ブロブ処理の機能を組み合わせる事で検査に付加価値を実現する事が可能です。例えば下記の動画では、チョコレートの色抽出を行うだけでなく、各色のカウントや、不良品判定(サイズ不良、かけ、結合、誤った色の混入)をリアルタイムに判定しています。


実践VisualApplets: ブロブ処理によるオブジェクト切り出し

VisualAppletsによるブロブ処理は以下のようなデザインで実現出来ます。このプログラムではカラー画像の中から黄色い車のみを切り出しパソコンへの転送を行います。黄色い車を抽出する[GetMask]の中ではHSI色空間から黄色となる候補領域を生成します。その後、それらの候補領域をラベリングし、ノイズなどの面積が細かい候補は削除し、元の画像からその領域を切り出しパソコンへ転送します。

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プログラム解説
①[Kernel 3x3] - [Bayer] - [To24Bit]
取り込んだベイヤー画像に対してベイヤー変換を行います。ベイヤー変換を行った画像を8bit 3chの24 bitデータに変換します。

②[GetMask]
階層ボックスの中で黄色である領域を取得しています。はじめにRGB画像をHSI画像に変換し、色相、彩度、輝度値のそれぞれに対してしきい値処理を行います。それらのANDを取る事で黄色である候補領域を取得します。

③[CutRoi]
階層ボックスの中でラベリングを行い、車のみ切り出し転送を行います。[GetMask]で得られた候補領域の面積が4000以下の物を除去することでノイズを除去しています。


VisualAppletsのブロブ処理で実現できるアプリケーション例

アプリケーション例1: リアルタイム欠陥分類

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フィルムなどのウェブ検査では、高速な欠陥抽出とその欠陥分類の組み合わせによる高付加価値な検査の実現が可能です。VisualAppletsのブロブ処理により欠陥画像の切り出しを行い、それらのデータのみをパソコンに転送する事が可能です。パソコン側ではそれら欠陥の分類、表示、データ保存のみを行う事で、高速かつ高機能な検査が実現できます。

アプリケーション例2: FPGA前処理による読み取り判定の高速化

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安定したQRコードや文字読み取りには十分な解像度の画像が必要です。しかしながら、例えばそのQRが段ボールのどこに貼ってあるかわからない場合、高解像度のカメラを使用する必要があり、それに伴いCPU処理時間が増加します。VisualAppletsのブロブ処理を活用する事で、予め画像中のQRコードの候補領域のみを切り出し、その画像だけに対して読み取りを行う事で圧倒的なデータ削減、高速化を実現する事が可能です。

アプリケーション例3: リアルタイムDIO制御による欠陥除去

VisualAppletsでは、高速な画像処理だけでなく、その結果を反映したリアルタイムなDIO制御も可能です。ブロブ処理を活用する事で、不良品が混入した場合に、即座にDIOに信号を送り異物を除去するリアルタイムアプリケーションを短期間で実現可能です。

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