産業用カメラはセンサーおよびインターフェースの観点で、近年大きな変化を迎えています。この潮流の変化を、BASLERの製品戦略に照らし合わせながら読み取りたいと思います。

産業用カメラのセンサーとしては、すでにCMOSが主流となった民生品（一眼レフカメラ、携帯電話カメラなど）とは異なり、現時点においてもCCDが大半を占めています（CCD：65%、CMOS：35%）。ただ、その推移を見てみると、CMOSの採用率が近年高まってきており、2015年にはCCD：50%、CMOS：50%となると予想されています。

このCCDからCMOSへの流れは、�@コスト低減、�A取り込み速度向上というメリットが得られるからであり、その分失うものとしては�B画質、�C長期供給ということになります。ただし、CMOSの画質は年々改善されてきており、更には大型のCMOSセンサーメーカが長期供給を保証する状況となったため、産業用カメラの世界でもCMOSへの大きな流れが生まれました。

センサーメーカとしてはAptina社やe2V社がこれらのニーズを確実に満たしており、例えば1.3MPグローバルシャッターでCCDとe2V社製CMOSを比較すると、カメラの定価で2万円の差があります。更には、5MPではローリングシャッターではあるもののAptina社製のCMOSを利用すれば、5MP CCDと比較してカメラ定価で25万円もの差が生まれます。

インターフェースの観点では、昨年ようやくUSB3 Visionの規格が定まり、今後は用途に応じてGigEとUSB3 Visionが主流となります。装置の国際的なコスト競争を考えると、画像入力ボードを用いたアナログやCamera Link Baseでは勝負にならなくなるため、ケーブル長が必要な場合はGigEへ、データ転送のリアルタイム性が必要な場合はUSB3 Visionへ移行することになります。

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 ■  Heliotis：光干渉3次元計測センサー

三次元計測デバイスとしては様々な技術がトライがなされているものの、広い応用範囲で確立された技術としては光切断法と縞投影法ぐらいに絞られると思います。それに対して最近注目されているのが、精密計測という分野では既に確立されている白色干渉法を、マシンビジョンの用途（インライン検査）に応用しようという動きです。

白色干渉法は非常に高い精度で三次元の情報を得られるのに対して、計測時間を多く要するために、オフラインの精密計測という分野でしか利用されてきませんでした。 しかし、Heliotis社が開発に成功した白色干渉法に特化したインテリジェントなCMOSセンサーpOCT3により、それをリアルタイムに演算することができようになりました。

視野が12mm程度に限定されますが、微小なワークの精密な三次元計測を高速に実現したいというニーズは確実に満たせます。リンクスの取り扱い製品で、飛躍の可能性を最も秘めた技術ですので、是非とも一度ご評価いただければと思います。



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