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 HALCON によるマシンビジョンソリューション

大盛況のうちに幕を閉じたマシンビジョンソリューションセミナーで発表した内容から、アンケートの結果を基に注目を集めたトピックを抜粋して紹介するシリーズ企画『リンクスソリューション』。第3回となる今回は、これまでのラインセンサーシステムに次いで人気の高かった三次元処理について紹介します。
  

マシンビジョンソリューションセミナー アンケート集計結果はこちら
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https://linx.jp/event/seminar/> 
  

コンポーネントの高精度位置検出

基板自動外観検査装置(AOI)では、通常、基板とコンポーネントの位置決めを行った後に、状態の検査を行います。
位置決めの手法として、一般的にマッチング処理がよく用いられます。 しかしながら、基板や基板上に取り付けられたコンポーネントにわずかでも傾きがある場合、マッチング処理による精確な位置検出は困難となります。傾きも考慮したマッチング処理を行うことができれば、傾いた基板や、基板に対して傾いたコンポーネントの位置も精確に検出することが可能です。
このようなニーズに対応する機能として、HALCON 9.0では透視歪マッチングという新機能が搭載されました。透視歪マッチングを行うことで、視線方向に対して傾きのある対象物の位置も精確かつ高速に検出することが可能となり、位置決めの精度は格段に向上します。
 


 
可変形状サーチ透視歪マッチング
 
 
 

 
特徴点サーチ透視歪マッチング
 

透視歪マッチングの詳細はこちら
<http://www.linx.jp/image/news/express/2009/linx_express_i09070.shtml>
   

基板の三次元計測

基板自体のベースの高さや、基板ベースに対するコンポーネントの高さや傾きを検査 したいというニーズは年々高まっています。HALCONがサポートする高精度なステレオカメラ方式により、基板全体の三次元形状を計測する ことができます。
 
HALCON 9.0の新機能であるマルチグリッドステレオにより、画面全体の距離デー タを隙間無く精密に計測することが可能になりました。また、ステレオカメラ方式で特徴点の三次元位置を計測する際、前処理として前述の透視歪マッチングを用いることで、右と左のどちらのカメラ画像に対しても 一つのモデルで精確に画像上の特徴点の位置を検出できます。この右と左のカメラ画像上の特徴点の位置から、ステレオ計測により特徴点の三次元位置の計測が可能です。
  




  

上図にリンクスのソリューションを示します。
この例では、2台のカメラで撮影したICとその周辺のコンポーネントについて、HALCONのステレオ計測により三次元形状を精確に復元しています。また、左右のカメラ画像において、あらかじめモデルとして登録したIC上のカニのマーク位置を透視歪マッチン グにより検出し、その結果を利用してカニの足先の三次元位置を計測しています。
この例で用いた光学機器構成におけるICの高さ計測精度は±50μm程度でした。視野範囲の調整や機器配置の調整により、更なる計測精度の向上も可能となります。HALCONのステレオ計測精度については、以下もご参照ください。
 
ステレオビジョン計測精度はこちら
<http://www.linx.jp/image/news/express/2008/linx_express_i08062.shtml>
  
このように、リンクスソリューションは基板検査の様々な分野に応用することが可能です。
   
 

電子部品のピンのコプラナリティ検査

コプラナリティとは、取付面に対する部品の各端子や電極の最下面の均一性を指します。
例えば、表面実装用電子部品のピンのコプラナリティ(平面度)を保証することは、製品の品質管理上とても重要であると言えます。
コプラナリティを評価するための方法として、HALCONを用いた画像処理による三次元計測は非常に効果的です。可変形状サーチにより、まず右と左のカメラ画像で計測すべき領域を精確に検出し、次にその領域内の端子位置を抽出した上で、ステレオ計測により端子の三次元位置を計測 します。
この結果得られた端子先端三次元位置に平面フィッティングを適用してその平面に対す る各端子の距離を計測することで、コプラナリティを評価することができます。




 コプラナリティの評価

  
このように、HALCONを活用することで、これまで実現が難しかった画像による基板の三次元検査が実現可能です。検査装置の性能向上や、電子部品の品質向上に、HALCONおよびリンクスソリューショ ンを是非ご活用ください。
 

三次元高精度計測 機能要約

透視歪マッチングにより、視線方向に対して傾きのある対象物の位置姿勢を高精度・高速に検出
マルチグリッドステレオの実装により、画面全体の隙間の無い精密な距離データ計測を実現
透視歪マッチングとステレオ計測の組み合わせで、高精度な特長点の三次元位置姿勢計測が可能
検査装置や部品の性能・品質向上には、HALCONの三次元計測機能が非常に有効
  
  

マシンビジョンソリューションセミナー 追加講演

日時:

2009年7月1日(水) 長野会場   13:00 〜 17:00

2009年7月3日(金) 福岡会場   13:00 〜 17:00

 

場所:

長野会場:  JA長野県ビル13階 13A会議室 アクセス
福岡会場:  はかた近代ビル4F ウェルレンタル会議室 アクセス

 

本セミナーは事前申込制となっております。お手数ですが、開催要項およびお申込みについては、下記のバナーをクリックし、特設ページをご覧ください。