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HALCONスクリプトをビルドすることなくアプリケーションに組み込む |
一般的な画像処理ソフトウエアの場合、開発環境で作成した画像処理アルゴリズムをコード生成し、コンパイル・リンクしてターゲットのアプリケーションに組み込むのが主流です。HALCONの開発環境であるHDevelopは、この画像処理アルゴリズム構築を対話形式で行うことができ、開発効率が10倍程度向上するとのご評価をいただいております。しかしながら、画像処理アプリケーションの構築にはVC++やVBの知識が要求され、画像処理アルゴリズムを1行変更するといったことであってもエンドユーザにとって容易なことではありませんでした。
これに対して、HDevEngineという新しい機構は、HDevelopで作成した画像処理アルゴリズムのスクリプトファイルをアプリケーションからダイナミックに実行することを可能としました。そのため、HDevEngineを組み込んだアプリケーションであれば、HDevlopからのVC++やVBへのコード生成を必要としません。HDevEngineのスクリプトエンジンがライブラリをコールするオーバーヘッドは極めて小さいため、アプリケーションの処理時間に影響を及ぼすことはありません。
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これにより、エンドユーザにこのスクリプトファイルを送り、所定の場所に置いてもらうだけでダイナミックに変更が反映されます。
この機能を上手く利用すれば、前処理、フィルタ処理、サーチ処理、判定処理、といった各行程をモジュール化し、細分化されたモジュール単位でカスタマイズや機能拡張がスクリプトベースで実現できます。
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■ 適用事例
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HDevEngineを使用した簡単な例題をご紹介します。図のような歯車の円部分の径を検査するアプリケーションの仕様が突然変更となり、別の部分の円の径を求める必要が生じたことを考えます。
HDevEngineを使ってこの画像処理アルゴリズムを供給していた場合には、アプリケーションの変更をすることなく、スクリプトファイルの変更のみで画像処理アルゴリズムを変更することが可能です。
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初期アルゴリズム |
変更したアルゴリズム |
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本号に関連するサンプルプログラムをご希望の方は、以下のサイトからダウンロードしていただけます。
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program.zip
(本プログラムの実行にはHALCON7.1.1が必要です)
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ただし、本プログラムの実行にはHALCON7.1のライセンスが必要となりますので、評価用ライセンスをご希望の方は弊社までお問い合わせください(techimage@linx.jp)。
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