ウェッジボンディングの形状検査
ワイヤーボンディングではループだけでなく、ボンディング部分も重要な検査項目になります。ボンディングのつぶれ幅や、長さなどは従来2次元で検査されてきた項目ですが、3次元情報を使用することでより明瞭な検査が可能になります。また、2次元では判断がつかないボンディングの浮きも高さ情報から検査可能です。
ワイヤーのループ高さ計測
ワイヤーボンディングのワイヤーのループ形状は長らく画像処理の課題となっているタスクの1つです。ワイヤーの密度が低く複雑でなければ、斜めからカメラで見る手法もありますが、本数が多いと機能しません。また、細く反射の強いワイヤーは三角測量では計測がうまくいかず、そもそも形状をとることが困難です。heliInspectでは、このような難しい対象物に対しても計測が可能です。
分割取り込み機能を用いた穴深度 / ピン形状の高さ計測
光切断などの三角測量系の3次元計測では、斜めから光を照射する必要があるため、細長い穴の底面には光が届かず計測を行うことができません。heliInspect は、その高速性から、干渉計測にも関わらず非常に長い計測レンジで使用することが可能です。
四角形部品の計測
画像処理により対象物の様々な形状を高精度に計測するには、サブピクセル精度で対象物のエッジ情報をうまく抽出する必要があります。また、取得したエッジ情報から、特定部位の選別・分割・隣接部の結合などの作業も求められます。そして、最終的にこれらのエッジを四角形や円、直線近似することで、サブピクセル精度による高精度な計測が実現できます。
リード計測
HALCONの画像処理システムを用いた、電子パーツの取り付け技術です。位置決めを行い、その位置によって計測領域を指定してICのピン幅計測を行うために、テンプレートからパターンマッチングのためのモデル作成領域およびICのピン幅計測領域を指定します。パターンマッチングの結果、計測対象の位置情報を得ることができ、ICのピン幅計測を行うための計測領域は相対位置から求めることが可能となります。相対位置に生成した計測領域に対してHALCONの計測オペレータを実行し、最終的にICのピン幅計測を実現します。
電子部品の形状計測・コプラナリティ検査
電子部品の製造ラインにおいて、従来の2次元検査では難しかった一様ではない曲線、凹凸、反射率の高い表面などを撮像・計測します。半田ペースト塗布検査、コネクタピンの平坦度検査、PCB検査、携帯電話組立などに利用されています。
基板のソルダレジスト
基板上に塗装された半透明のソルダレジストなど、計測対象物が複数の層から成る場合があります。断層モードを用いることで、レジスタ面と奥の金属面等複数の面の高さを同時に計測することが可能です。
面の粗さ計測
heliInspectで得られた高さ画像から金属表面等に見られる連続的な面の粗さ(Ra値)を計測することが可能です。
基板検査
色情報を用いた基板検査の事例です。HALCONのカラー解析および画像処理能力を駆使して、色による部品のグループ分けを行っています。通常、カラー画像のRGB空間では微妙な色あいの分類は困難です。しかし、HALCONではRGB空間だけでなく、YIQ、HSI、HSV、i1i2i3など多数の色空間が用意されており、適切な色空間に変換を行うことで、正確な分類が可能となります。
ピンのコプラナリティ検査
ピンやリードのコプラナリティ検査も代表的な3次元アプリケーションですが、ポイントでの計測などでは再現性が十分でなかったり、形状そのものが見えません。この場合、heliInspect の面計測が有用です。
ディスペンサーユニット「LP-Dispenser ADU 01」【ASYS Automatisierungssysteme社(ドイツ、Dornstadt)】
自動ディスペンサーユニットADU( ASYS Dispenser Unit )は、自動的にPCB基板上の任意の箇所にラッカーを自動的に貼ったり、塗ったりするのに役立ちます。自由度を持たせるため、ディスペンサーの動きをユーザーがあらかじめDIN 66025.に従ってCNCエディタに設定できます。
BGAの高さ計測
パッケージなどに配置されたBGAの位置・高さ・径・形状を検査する用途には、3次元の検査が要求されます。heliInspectを使用することで、1視野あたり数100msで、ナノオーダー精度の高さ計測を実現することが可能です。
ICチップの足の幅計測
画像処理における1D計測の1つの方法として、計測を矩形範囲に設定して幅を計測する手法が挙げられます。しかしながら、一般的な1D計測機能では、特にICチップの足など金属部品において、計測したい幅の中に反射が起こり、余計なエッジ点が抽出されてしまうという問題が発生します。HALCONではこの1D計測にファジー理論を組み合わせることで、このような困難な状況にも対応可能です。
BGA検査
HALCONには極めて高精度に計測を行うためのオペレータが用意されています。レンズの歪み除去や最適な照明を使い、画像のノイズレベルを低く抑えることで、サブピクセル精度として1/10~1/50ピクセルが実現できます。高精細な画像処理アルゴリズムにより、極小部品の計測も容易に行えます。