3DPIXAと専用照明が実現するソリューション 複数の照明方式の画像をワンスキャンで取得!


ステレオ方式のラインセンサ 3DPIXAの開発元
Chromasens社は「カメラメーカー兼照明メーカー」

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3DPIXA はステレオビジョンをTri-linearの高解像度カラーラインセンサで実現した市場で唯一の3Dカメラです。2D/3Dを同時に取得でき、高分解能モデルにおいても広い視野が確保できる3DPIXAは、これらの特長から主に金属部品の外観検査用途で多くの実績を挙げています。

しかしながら、3DPIXAの特長はそれだけではありません。キーになるのは「照明」です。

3DPIXAの開発元であるChromasens社はカメラメーカーであると同時に照明メーカーでもある世界的にもユニークなメーカーです。そのため3DPIXAではカメラ単体での提案にとどまらず、対象物に応じた最適な照明も同時に提案することが可能です。このカメラと照明の組み合わせ技術によって、様々な可能性を提供することが可能です。本号ではその一端を紹介します。


3DPIXAの特長機能 ①: マルチフラッシュ機能
高速に照明方式を切り替えながらワンスキャンで撮像!

カメラと照明を同じメーカーで揃えることによるメリットがたくさんあります。例えば、カメラ設定ツール上で照明の設定も行うことが可能なのもその利点の1つですが、最たるメリットの1つが「マルチフラッシュ機能」です。

マルチフラッシュ機能では、最大4chまでの複数の照明を1ラインごとに切り替えながら撮像することが可能です。この際に、カメラの露光時間に合わせながら各照明のフラッシュ時間を高度に制御しつつ、点灯させる照明を切り替えていく必要がありますが、前述の通りカメラも照明も同一メーカーであり、簡単に実現できるように機能実装されています。下図は接続イメージと、設定ツールの画面のキャプチャになります。このようにグラフィカルに各照明のフラッシュ時間/タイミングを設定できるようになっており、カメラ側の露光時間もこの設定に応じて自動で最適化されます。

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マルチフラッシュ機能を用いることで、例えば明視野照明と暗視野照明を1ラインごとに切り替えながら、1回のスキャンでその両方の画像を取得することが可能です。左はカメラから出力されてくる生画像ですが、暗視野と明視野が1ラインごとに交互に撮像されており、この偶数ラインだけを抜き取ることで右上の明視野照明の画像が、奇数ラインだけを抜き取ることで右下の暗視野照明の画像を取得することが可能です。これにより、それぞれの方式でしか見えない欠陥でも、カメラの台数やスキャン回数を増やすことなく、1回の撮像でその両方の欠陥を検出することが可能です。

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3DPIXAの特長機能 ②: マルチフラッシュ機能
露光時間を切り替えながら複数回撮像してHDR画像生成!

この機能は照明そのものを切り替えなくても、カメラの露光時間だけを切り替えながら撮像していくことでハイダイナミックレンジ(HDR)画像を生成するために使用できます。

例えばBGAを撮像することを考えたときに、ベース面とボール部分の反射強度が大きくことなるため、ベース面がしっかり映るような露光時間で撮像すしたときにボール面ではサチュレーションが発生したり、ボール面がサチュレーションしないような露光時間で撮像したときにベース面がほとんど映らなかったり、といった問題が発生します。

マルチフラッシュ機能を用いて1ラインごとに露光時間を切り替えながら撮像することで、長い露光時間と短い露光時間での撮像を1回のスキャンで実現することが可能です。下図において、左が生画像となっており短い露光時間と長い露光時間の画像が1ラインごとに交互に入っています。これを偶数ラインだけ抜き出すことで短い露光時間の画像を、奇数ラインだけを抜き出すことで長い露光時間の画像を取得することが可能です。この2つの画像から、例えばHALCONを用いることで右図のようなHDR画像を生成することが可能です。ベース面がしっかりと映っていると同時にボール部分もサチュレーションのない最適な画像が取得されています。

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3DPIXAの特長機能 ③: RGB照明
Tri-linearによるRGB分解で3つの照明方式をワンスキャンで撮像

3DPIXAに搭載されているラインセンサはTri-linearのカラーセンサとなっており、RGBそれぞれ別々の感度を持っています。これにより非常に質の高いカラー画像を取得することが可能ですが、色そのものが必要ない場合には、この3chを照明方式ごとに割り当てることも可能です。

3DPIXAの照明には、左のような同軸(青色LED)、ドーム(赤色LED)、暗視野(緑色LED)を1つに組み合わせた特殊な照明の用意があります。これを同時に常時照射しながらスキャンすることで、それぞれの照明方式の画像がR画像、G画像、B画像としてワンスキャンで取得することも可能です。この場合マルチフラッシュとは異なり、対象物の色情報は失われますが、露光時間を切り替える必要はないのでより高速にスキャンすることが可能です。

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下図はBGAをこの照明で撮像した画像になります。左が生画像ですが、これを各チャンネルごとに見ていくと、R画像ではドーム照明を用いた際に得られる画像となっており、主にボールの表面に対してサチュレーションのない画像が得られています。G画像ではローアングルで照射していますので、ボールのより側面に近い所の反射を捉えています。B画像は同軸照明になっており、基板表面のテクスチャをキレイに捉えています。ドーム照明はボール上部のサチュレーションを避けるために有効ですが、ボール側面と基板表面の情報が抜け落ちてしまうため、3次元でもデータ抜け発生の要因になってしまいます。この照明であれば、ワンスキャンで必要な情報を全て撮像できるため、抜けがなく質の高い3次元復元が可能となります。

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このように、照明とカメラを組み合わせたソリューションにより、普通では難しいアプリケーションにも対応が可能です。特に金属表面の外観検査を実現したい、過去にトライしたがあきらめた、という方は是非お声がけください。3次元センサーの評価を随時受け付けています。評価や製品に関するお問い合わせは下記フォームよりお気軽にお問合せください。

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【告知】新製品”Inspekto S70”製品紹介webinar開催決定!

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2020年2月より国内販売開始したディープラーニング画像検査装置Inspekto S70の製品紹介ウェビナーを実施することになりました。
本製品の魅力を、実際のデモンストレーションを用いてご紹介致します。
上記バナーから申込み可能です。是非ご登録下さい。

Inspekto S70 製品紹介webinar
~マシンビジョンはAutonomousの次元へ~


日時:3/29 (月) 13:00 ~ 14:00

プログラム1:製品紹介「Just Plug & Inspect」
~イスラエル発 世界最先端AI画像検査装置の全貌に迫る~

プログラム2:デモンストレーション
~マウスワークのみで完結!S70のディープラーニング画像処理の実力を知る~

※LINX Express 配信の中止・アドレスの変更をご希望の方は、お手数ですがこちらよりお問い合わせください。