ステレオ方式の3次元ラインスキャンカメラ 3DPIXA

3DPIXAシリーズは、高さ画像とカラー画像を同時に取得するステレオビジョン方式のカラーラインスキャンカメラです。

高分解能のラインセンサにより、サブミクロン精度での高精度計測を超高速に実現します。

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3DPIXAを用いた金属面外観検査の提案

自動車のエンジンやブレーキなど、安全に関わる重要な基幹部は多くの金属部品で構成されています。これらの検査の自動化のニーズは非常に高いものですが、「汎用の画像検査装置を入れてみたものの、過検出が多く使い物にならず、結局目視検査に頼っている」といった声がよく聞かれます。

金属表面の傷や打痕・緩やかな凹凸を2次元で検査しようとすると、照明の当たり方によって見えたり見えなかったり、それらをすべて検知しようとすると良品までNG扱いになってしまいます。安定検出のために深さ方向の情報を用いた検査を追加したいところですが、従来の光切断は金属面の計測を苦手とするため、ここでもまた困難に直面することになります。

3DPIXAは、その製品特長から金属表面の外観検査で多くの実績を挙げてきました。(⇒Vol.295)前号では、外観検査用途に最適な10um分解能のCompactモデルのリリースを紹介しましたが、今号ではその性能面を既存モデルと比較して紹介します。

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徹底比較!3DPIXA微細検査用モデルの精度について

シリンダーヘッドやエンジンブロックなどの加工面は傷や打痕、巣穴といった欠陥の見逃しが許されない対象物です。こういった鏡面に近い金属平面上の打痕を、3DPIXAを用いることで簡単に計測・検査をすることができます。

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高さ画像において欠陥部が浮かび上がって見えます。これであれば、高さ画像に対して深さの閾値を設けて欠陥を安定検出することが可能です。

では、実際にDual 5um, Compact 10um, Comact 15umの3つモデルの3DPIXAを比較していきましょう。下記に同一箇所を撮像した結果を示します。

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平面部の粗さや欠陥部の明瞭さなど、水平分解能・高さ分解能の違いによる計測データの質の違いが見て取れます。今回撮像した欠陥の深さは40umのため、高さ分解能が一番荒いCompact 15umモデルでなんとか検査ができますが、誤検出する可能性があります。そのため、以前はより高分解能なDual 5umモデルを用いた検査を考慮する必要がありました。Compact 10umがリリースされたことにより、精度・視野幅・コストの面でより採用しやすくなりました。


カラー画像と高さ画像を用いたディープラーニング

近年一大ムーブメントとなっているディープラーニングですが、通常はカメラで取得した画像を登録していきます。しかしながら、人間は目視検査を行うときに平面的な情報だけでなく3次元的な形状も自然と用いています。この差異に着目し、高さとカラー情報の両方を同時に用いて学習を行うことで飛躍的にその精度を高めることに成功している事例もディープラーニングの最前線から聞こえてきました。

このアイデアのキーコンポーネントが3DPIXAです。3DPIXAでは、カラー情報と高さ情報が同じ画角で取得することが可能なため、この用途に完璧に適合します。RGBに加えて高さの4つの情報から、支配的な2chの色情報+高さ情報 の3ch分を選択し、カラーと高さの両方の情報を持つ画像を教師画像として与えています。

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教師画像を用いて作成したディープラーニングに、検査用の画像を渡すことで、下記の様に結果を得ることができます。

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金属表面の外観検査は画像処理のアルゴリズムにも悩むことがありますが、3DPIXA + ディープラーニングは1つの汎用的な回答になりうる組み合わせです。

3次元センサーの評価を随時受け付けています。評価や製品に関するお問い合わせは下記フォームよりお気軽にお問合せください。

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