新年明けましておめでとうございます。
謹んで新年のお慶びを申し上げます。
旧年中は格別のご厚情を賜り、厚くお礼申し上げます。

弊社は「技術立国日本を取り戻す」をモットーに、世界の最も優れたテクノロジーを世界でいち早く発掘し、国内のお客様の付加価値向上に貢献したいと考えています。画像処理から始まった我々の事業は、IIoT、ロボットへと鮮度の高い新分野への投資を積極的に行い、同時に組織規模も急速な拡大を図っております。

本号では、現時点におけるリンクスの事業とその戦略をダイジェストでお伝えいたします。

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リンクスの製品と市場動向

画像処理

・AI画像処理
2017年末にディープラーニング機能を搭載した「HALCON Progress Edition」をリリースして以来、多くのお客様からご興味をいただき、改めてAI画像処理に対する市場の関心の高さを伺うことができました。
また、ディープラーニングというマーケティングの言葉だけが先走りしていた時代から、市場理解と技術進化の実態が一致してきたのも2018年だったと感じています。「2,3枚の画像をトレーニングすればすべてうまくいく」という理想の世界は、次の大きなハイプカーブを待たなければなりません。今回のハイプにおいてはネットワークアーキテクチャの技術革新はある程度このレベルで落ち着いた、最近は新たに発表される論文も認識率を0.x%向上するといったレベルのもので停滞している、よって理想的な世界を実現するには次のハイプを待つというのが皆さんの理解なのではないでしょうか。

そんな中で、HALCONは現時点でのディープラーニングのテクノロジーを、マシンビジョン市場において最大限有効活用するための技術開発に全力を注いでいます。学術の世界では更なる研究が今後も継続的に行われますが、そのブレークスルーが数年先になると考えると、現時点で使える技術をうまく組み合わせることで産業界にディープラーニングを役立てる、そのリーディングカンパニーであるという自負と共に新機能を次々にリリースしていきますのでご期待ください。


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また、より高速にFPGAでAI画像処理を行いたい方はSilicon Softoware社での開発実装サービスもご提案しております。民生品であるGPUを利用したくない、しかしCPUの速度では満足できず、リアルタイムでディープラーニングを走らせたい、という方には最適のソリューションです。

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・3次元
3次元センサーは現在成長期の真っただ中にある市場で、各社から多種多様なセンサーがリリースされています。各3次元センサーメーカーはともに、「速度」「精度」「視野」「物質」の4項目を満たすべく研究開発を続けています。しかし、それらすべてを満たす理想的なセンサーは存在せず、精度を重要視すると速度を失う、透明体のような特殊な物質を計測すると視野を失う、といった状態です。リンクスでは様々な手法の3次元センサーを取り揃えることで、お客様のアプリケーションやニーズに応じてベストなソリューションを提供できますので、いつでもご相談ください。

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・スペクトル
近年、食品やリサイクル業界でのハイパースぺクトル技術を用いた検査要求が活発になっています。これらの現場では、従来のカラーカメラや狭域スペクトルの近赤外カメラだけでは素材(物質)の判定が難しく中々自動化が進んでいなかったのですが、近赤外ハイパースペクトルカメラ「SPECIM FX17」やスペクトル解析技術を用いることで、それがいよいよ実現できる時代が訪れるようになりました。

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・今後も技術革新が進むマシンビジョン市場
2次元での画像処理はある程度成熟したマシンビジョン市場ですが、そこで解決できなかったアプリケーションは①AIに向かって人間的な判断をさせるか、②3次元に向かって高さ方向の情報によって検出するか、③ハイパースペクトルで物質によって判定するか、といった形で技術革新が今後も継続されることになるいます。

IIoT

・PLC
工場の基幹デバイスであるPLCを、一強のメーカ(欧州ではシーメンス)に依存したくない、牛耳られたくない、という強い要求が欧州では存在しました。そこで、各種の部材メーカがソフトウェアPLC CODESYSを搭載して総合コントローラメーカになる、そんなエコシステムが完成しています。一強が一強であり続ける理由、それは他プレーヤはハードは作れてもソフトが作れないというジレンマであり、そこをCODESYSで補うという構図が欧州ではエコシステムという形で完成しました。その流れがいよいよ日本でも顕在化してきました。
2016年にヤマハ発動機様、コンテック様が採用を決め、2018年には山洋電気様、更には今年度も大手装置メーカー様、自動車メーカー様も続々とCODESYSの採用を決めており、これらを合算すると、2023年には年間5~20万台のCODESYS搭載コントローラーが出荷され、CODESYSのエコシステムが構築される見込みです。

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・SCADA
リンクスは2017年秋からSCADAの分野にも進出しました。国内は海外の市場と比較して、異常なほどにSCADAの浸透率が低い状況にあり、SCADAという言葉を知らない方が大半であり、SCADAを聞いたことがあっても「SCADA=表示器」という認識しかないというのが現状でした。
ここで皆様にお伝えしたいのが、SCADA=表示器であったのは8年ほど前までであり、今ではIIoT(スマートファクトリー)の根幹を形成するIIoTソフトウエアプラットフォームとして進化を遂げているということです。
実時間でのタイムスタンプ付きで製造データ、製造パラメータ、アラーム、プロセスシーケンスといった情報を一括収集、管理するのはSCADAにしかできないことで、PLCやMESでは実現できません。データを集めて集中管理室で表示するといった従来の表示方法ではなく、タブレットに稼働状況を表示させて工場の隅々に設置することで、工場のどこにいてもライン全体を見渡せるようになります。また製薬の分野では、作業員のいかなる作業もデジタルデータとして記録に残したいという考え方があり、紙の記録より電子データの方が信頼性に勝る今の時代において、監査証跡の機能を実装する階層はPLCでもMESでもなくSCADAが適切なのです。
つまり、IIoTを司るソフトウエアプラットフォームこそがSCADAであるということです。

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ロボット

ここ数年で産業ロボットによる自動化・省人化のニーズが急激に高まる中、2次元/3次元画像処理と組み合わたロボットビジョンの実用化も目覚ましい進化を遂げています。中でも3次元ロボットピッキングは過去から存在する技術課題の1つで、画像処理による位置認識だけでなく、把持位置指定、軌道演算、衝突回避、キャリブレーションといった、ロボットシステムとの複雑な連携や調整が導入障壁を高くすることでこれまで市場に浸透してきませんでした。
この度、リンクスはPhotoneo社との代理店契約を締結し、独自技術を集約したレーザー縞投影 3次元スキャナ「PhoXi Scanner」、および次世代3次元ロボットピッキング統合パッケージ「Bin Picking Studio」の取扱販売を2018年11月より開始しました。
「Bin Picking Studio」は3次元ロボットピッキングに必要な5つの要素「スキャナ」「画像処理」「グリッパー」「把持位置」「軌道演算」を単一ソフトウエアで一気通貫でサポートする唯一の商品です。

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ロボット、画像処理は工場の外へ

・サービスロボット
配達ロボット、清掃ロボット、芝刈りロボット、といった様々な自動走行ロボットが市場に浸透を始めていて、ロボットが工場の外に出る時代になりました。5年後の将来を考えると、社会の中でたくさんのサービスロボットが活躍していることが予想されます。
リンクスもここに着目しており、新製品の導入を目指しています。

・エンベデッドビジョン
いま、破壊的なイノベーションとして注目を浴びているのが画像処理が工場の中から工場の外へ出ていく潮流です。
1990年代にIntel CPUが目覚ましい性能向上を果たし工業用画像処理の世界は一気に加速しました。近年、同じように組み込みCPU(SoC)の演算能力が上がり、小型で消費電力が極めて少ないチップによる画像処理が可能になり、眼鏡、車、清掃ロボットといった生活で使われるあらゆる装置に、目となるカメラと画像処理が搭載される時代になりました。
産業用デジタルカメラのリーディングカンパニーであるBasler社はこの流れにいち早く着目し、組込みCPUに最適化されたカメラシリーズをリリースしています。

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SoCによる組込み画像処理を導入する利点として、コスト削減、小型化、省電力、カスタムによる競合他社との差別化などが考えられますが、要素技術の複雑化すなわち、CPUやFPGA、メモリ、イメージセンサ、MIPIのような各種高速インタフェース、ディープラーニングといった要素技術が複数存在し、それぞれがめまぐるしく進化していることが、組込み画像処理を取り入れる上で大きな障害となっております。
リンクスは優れた技術者集団であるリンクスアーツをグループ傘下に収めております。Basler社との連携を軸に組込み画像の導入を検討するユーザーの皆様に最適なソリューションを提供します。

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今年度も、リンクスは価値ある技術製品の提供により、以下に示す5つの大きな柱をベースに、皆様のスマートファクトリー、スマートソサエティの実現をお手伝いいたします。
今後も変わらぬご愛顧の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

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