Silicon Softwareが提供するリアルタイム画像処理ソリューション

LINX Expressでは、FPGA画像処理開発環境「VisualApplets」のご紹介を何度かしてきましたが、高速インターフェース市場に変革が起こり始めている今、 Silicon Softwareが提供する超高速画像処理ソリューションを市場動向を含めてご紹介します。

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豊富なラインナップを揃える画像入力ボード「microEnable」

Silicon Software社の画像入力ボードmicroEnableは、現在5世代目を迎えCameraLink、GigE、CoaXPressのインターフェースを ラインナップ しております。

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これらほぼ全ての機種に「画像入力に特化したAタイプ」と「FPGA画像処理が可能なVタイプ」の2種類があり、FPGAで画像処理をお考えのお客様だけでなく、画像処理はHALCONで行うことをお考えのお客様にも低価格でHALCONとの親和性抜群なボードをご提供致します。
特に、「高い機能性、優れた利便性、低価格」を兼ね備えた最新モデルMarathonシリーズは、高速・高解像度が必要とされる幅広いマーケットに貢献します。

画像入力ボードmicorEnableのデモ機のご評価のご依頼や技術的なお問い合わせなどは、下記お問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせ下さい。

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ソフトウェアエンジニアがFPGA開発を行う時代!
ドラッグ&ドロップによるFPGA画像処理開発環境「VisualApplets」

センサー技術の技術発展により、産業用カメラの高速化・高解像度化は留まるどころか加速し続けています。これにより高精細な検査は身近なものになっていますが、その一方で膨大な画像データを取り扱うためのCPU負荷や処理時間、メモリ容量、GPUの発熱、GPUの供給寿命の短さなどが課題として挙げられます。これらの課題に対する1つのソリューションとしてFPGAを用いた画像処理技術が従来より着目されて来ましたが、要求される高い技術レベルから一部のスペシャリストの方々のみ実現が可能なのが現状で、FPGAエンジニアを抱えていない企業では高いコストをかけて外注するか、カメラの性能を100%活かしきれないまま検査を行うしかありませんでした。

・現状のタクトタイムに満足していますか?
 ・高額PCを何台も使用したシステムに無駄を感じていませんか?
 ・FPGA開発のコスト削減にお悩みではないでしょうか?


VisualAppletsは、そんな悩みを解決するためのFPGA画像処理に特化したGUIの開発環境です。その特長から、FPGAの知識が全くないソフトウェアエンジニアの方でもFPGAを使用した超高速画像処理システムを実現するこを可能にします。VisualAppletsの紹介はこちら

VisualAppletsだからできる、リアルタイム位置合わせ

Silicon Software社は、VisualAppletsで利用できるオペレータを230以上提供しており、これらの組み合わせにより様々なアプリケーションの実現が可能になっています。

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ここではその1つとして、位置合わせに使用されるアフィン変換の例を紹介します。 従来、アフィン変換は入力されたピクセルの座標位置と、出力の飛ばし先のピクセルの位置が異なることから画像を溜め込まなければならず、FPGAが得意とする処理の範囲からは少し外れています。これをリアルタイムに行うためには処理のスループットを上げる必要があり、以前のバージョンのVisualAppletsでは実現できなかっただけでなく、FPGA開発者でも実現が難しいと言われる処理です。 現在のVisualAppletsでは、これを実現するために専用のオペレータPixelReplicaterが追加されスループットを上げることに成功しています。

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上記は実際にPixelReplicaterを使用してアフィン変換を行った際のシミュレーション結果です。
CoaXPressのカメラを接続した際でも、リアルタイムに処理ができることを確認しており、電子部品の検査など、高速な位置合わせが必要なアプリケーションで幅広く活躍する機能です。


FPGA vs GPU:産業用途に適したデバイスはどちらか

処理の高速化を検討する際に真っ先に挙がるソリューションがGPUだと思います。従来のFPGA開発と比較したときには、開発の容易さがGPUを使用する上でのメリットです。 しかし、VisualAppletsによってFPGAが容易に使用できるようになった場合、FPGAは産業用途で使用する上で、「高速」、「省電力」、「製品の供給寿命」という大きなメリットがあります。 以下は、その比較結果です。

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上記の結果は、画像に対して欠陥位置の抽出から分類までを行った際の比較結果です。アルゴリズムはFPGAとGPUで同じものを使用しております。 結果を見ると、GPUと比較してもFPGAが高速で、省電力であることがわかります。また、民生用であるGPUに対して産業用途で作られている FPGAはその製品供給寿命も長く、トラブルが起きた際に同じものが手に入らないといったリスクも削減できます。特に画像入力ボードが必須なCameraLinkやCoaXPressの場合は、 余分なコンポーネントを削減できることもリスク低下に寄与します。


次世代高速インターフェースのトレンドとSilicon Softwareの動向

高速インターフェース市場はCameraLinkが長年圧倒的な支持を受け、現在でもその人気は根強いです。 CoaXPress1.0の規格が誕生してから8年余りが経過しましたが、CameraLinkに取って代わる程の勢いはありませんでした。 その最大の理由がコストです。しかし、センサー価格の低下とインターフェース価格の低下が相まって、この高速インターフェース市場に大きな変化の時期が訪れています。

CoaXPress2.0

Silicon Softwareでは2019年にBaslerカメラとコラボレーションしたCoaXPressの画像入力ボードをリリースします。CXP12とも呼ばれているこの新規格は、 ケーブル1本で12.5Gbpsの転送レートを実現し、今まで複数台のカメラやケーブルを使用して検査していた項目を、カメラ1台、ケーブル1本で実現しコストダウンを可能とします。
特に、このボードはBaslerカメラと接続することに特化し、必要十分な機能のみにすることで圧倒的な低価格での提供を可能にします。

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microEnable新世代ボード

また、2019年、Silicon Softwareは次世代高速インターフェースを備えたmicroEnableの第6世代ボードをリリース致します。
ラインナップは、CoaXPress2.0、10GigE、NBase-T、CameraLink HSの4機種で、それぞれ画像入力専用のAタイプとVisualAppletsによるFPGAカスタマイズが可能なVタイプをご用意する予定です。

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