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光干渉3次元計測センサー heliInspect H3/H4

サブミクロンオーダーで計測可能な高精度3次元計測手法として、光の干渉を用いた計測手法が挙げられます。干渉法は医療診断、特に眼底検査においてはOCT(Optical Coherence Tomography)と呼ばれ、現在では広く普及している技術です。

heliotis社(スイス)の光干渉断層3次元計測センサー「heliInspect H3/H4」は、干渉計の高精度をそのままに、インライン用途で可能な高速性を獲得した非常にユニークな3次元計測機です。従来はその計測タクトゆえインライン用途には適用が難しかった干渉計ですが、スイス政府の支援のもとCMOSベースの専用ASICを自社で研究開発し、素子内で超高速データ処理を行うセンサー “heliSense S3” により、計測時間の劇的な短縮と超高精度を高いレベルで両立しています。

今号では、heliotisの3次元計測機最大の特徴であるその高速性の所以を紹介します。

 
 
超高速スマートピクセルセンサ: heliSense S3

白色干渉法は精度の高い3次元計測手法として知られていますが、同時に計測に時間のかかる手法でもあります。同手法では、センサーと対象物(もしくは参照ミラー)間の距離を微小に変えながら画像を撮像し、その反応強度のピークを求めることで高さ計測を行います(干渉法の計測原理はこちら)。干渉計で膨大な計測時間がかかる要因としては大きく分けて下記の2つが挙げられます。

@ データを取得するための時間
干渉波形を正確に復元するためには、干渉波形の1波長あたり3〜4ショットの撮像が求められます。例えば800nmの光源を使用した場合の干渉波長は400nmになりますが、これに対して十分な回数の撮像を行うためには400nm/4回=100nm移動ごとに撮像を行う必要があります。1mmのレンジの高さ情報を得ようとすると、1mm/100nm=10000回の撮像が求められます。500fpsの高速カメラを使用したとしても、撮像だけで20秒も要することになります。

A データを処理するための時間
データを取得した後に、これらのデータを解析し、反応強度のピークを算出する必要があります。撮りためた膨大なデータを解析するのにも多大な時間を要します。

heliotisでは、干渉計測に特化した超高速なCMOSセンサー "heliSense S3" を自社開発することで、従来の干渉計の常識を覆す速度を獲得することに成功しました。"heliSense S3"は下記の特徴を持っています。

@ 超高速センサー
heliSense S3では最大100万fpsの信号取得を可能としています。これにより、瞬時に必要なデータを取得することが可能です。

Aスマートピクセルセンサー
heliSense S3は処理回路をピクセル自体に持っており、取得したデータをピクセル上で瞬時に解析します。干渉波形から包絡線を計算し、包絡線のサンプリングデータを5000fpsで出力します。

heliInspect H3/H4ではさらに、センサーの後段にFPGAを配することで、電気的にこれらの包絡線データから振幅、位相、表面高さデータを計算します。結果的に、数10秒を要する干渉計測を数100msにて実現しています。

 

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