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パケット転送方式は不安定、という誤解

GigE Vision / USB3 Visionのような汎用デジタルインターフェースでは、画像データをデータパケットとして逐次転送する方式を取ります。これまで専用ハードウェアでカメラクロックに沿ったリアルタイム画像転送を行っていたお客様にとっては、従来と異なる概念の転送方式であり、「パケットの欠落と再送が発生して、画像転送効率が落ちるのではないか」という不安を持たれることがあります。しかし、それは全くの誤解です。Camera Linkと同様に、1つのポートに1つのカメラを接続するピアツーピア接続の形を取る場合、GigE Vision / USB3 Visionいずれも、パケットロスはそもそも発生しません。
GigE Visionカメラ4台を個別のポートに接続し、100万回の連続取込試験を行った結果を示します。100万回の取込試験の過程で、パケットロスは一度も発生していません。

 

 
 
リアルタイム性 -ソフトウェアトリガー-

GigE Vision / USB3 Visionの取込速度を見てみると、Camera Linkと比較しても遜色の無い、非常に安定した画像転送性能を発揮します。ソフトウェアトリガー10000回撮像時の、各インターフェースの取込時間の計測結果を見ると、各インターフェースとも取込時間のばらつきにほとんど差はありませんでした。この原因として、カメラインターフェースの差以上に、PC側のタスク切り替えの時間のばらつきの方が大きく、支配的であることが考えられます。すなわち、通常のPCを用いたソフトウェアトリガーアプリケーションにおいて、カメラインターフェース間の差はほとんど無いと言えます。

 

 
 
リアルタイム性 -ハードウェアトリガー-

また、タイムクリティカルなアプリケーションでは、ハードトリガー信号に応じて露光を開始することになります。Camera Linkの場合は、ボードを経由してトリガー信号を受信しますが、GigE Vision / USB3 Visionでは、カメラの汎用Digital I/Oに直接入力します。その反応速度は、トリガー信号品質と、トリガー信号を受信する電気回路の性能に依存することになります。すなわち、トリガー信号から露光開始までの時間の遅延とばらつきは、カメラインターフェースには依存しません。BASLER ace USB3に搭載されている電気回路では、ばらつきは15nsec程度に設計されており、Camera Linkと変わらない高速安定なハードウェアトリガー取り込みが可能です。

 

 
 
産業用カメラインターフェース市場動向

アナログからデジタルへの移行は大詰めの段階に来ています。GigE Vision / USB3 Visionのような汎用デジタルインターフェースの利用率は、欧米では7割程度まで進んでいますが、日本を含むアジア圏ではまだ2割程度です。しかし、汎用デジタルインターフェースのパケット転送方式に対する不安感は払拭されてきており、今後、世界で戦える価格競争力の高いシステムを構築するため、日本でも汎用デジタルインターフェースカメラの採用がますます進んでいくことは確実です。

 


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