LinX Express

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  WEB検査はFPGAからソフトへ

WEB検査はラインセンサーを用いた代表的なアプリケーションの1つです。 高速・高解像度・広視野が求められるWEB検査は、ラインセンサーで取得した大容量の画像を FPGAで高速に処理するのがこれまでの常識でした。

しかしながら、多種多様化する画像処理のニーズにタイムリーに応えるためには、 FPGAの開発工数はあまりに重く、またFPGAを十分に扱える技術者の数も限られます。 また、ここ10数年の目覚ましいPCおよびソフトウェアの進歩に伴い、PCでのソフトウェア処理で十分処理時間が間に合うケースも増えてきました。

こういった背景から、近年ではWEB検査装置メーカーが処理の一部をFPGAから ソフトウェアに置き換えるのがトレンドの1つとして見て取れます。今号では、 無地検査を例にとり、HALCONの高速処理を紹介します。


  無地検査ベンチマーク

右図は基本的なWEB検査装置の構成を表しています。透過光/反射光をフィルムなどの対象物に照射し、ラインセンサーで撮像した大容量画像をFPGA搭載ボードにより処理を 行います。

下記のようなアプリケーションを例にとって考えてみましょう。

システム構成
対象物: 無地フィルム
対象物幅: 1500mm
要求分解能: 100μm
搬送速度: 1m/s



   

上記ケースでは、8kのラインセンサーを2台使用することで要求分解能と視野幅を満たすことが可能であり、搬送速度も2台の8kラインセンサーの画像をソフトウェアで 並列処理することで十分間に合う範囲になります。 このようなアプリケーションでは、FPGAに比べて下記のメリットを享受することが 可能です。下記観点から、HALCONを画像処理エンジンとしたシステム構築が検査機 メーカー各社で選択されています。

- 開発工数削減: 専用開発環境でアルゴリズム開発/検証ループを劇的に短縮
- 柔軟性:様々な客先要求にソフトウェア変更のみでタイムリーに対応可能
- 技術性能向上: 学習による欠陥分類などの最新技術を自社製品にすぐに落とし込める
- 開発人員確保: 若い技術者が技術をキャッチアップしやすい

無地検査として、フィルター処理後にしきい値処理を行い、形状特徴量解析により 抽出した欠陥画像を保存する、といった処理を構築した場合のベンチマーク結果を 下記に記します。

条件:8192×2048 8bit画像対象、Windows7 64bit, Core-i7 2.80Ghz, 8.00 GB RAM

 
 

ラベリングや形状特徴量解析などの領域処理は非常に高速であるのが表からも見て取れます。 この例では、欠陥大量発生時に30〜40個の欠陥が検出された場合でも、およそ100ms程度で処理が 回ることになり、十分ソフトウェアでリアルタイム処理が実現できることになります。

  HALCONの高速領域処理

フィルムやシートなどの欠陥領域を抽出するには、しきい値処理やラベリング処理、 ブロブ解析などの領域情報を扱った処理が中心となります。HALCONの領域は、 各ピクセルを1か0の2値情報として扱うのではなく、ランレングスと呼ばれる手法を 実装しており、非常に高速かつ利便性の高いものとなっています。

図はランレングスによる領域の取り扱いを表しています。ランレングスでは、行ごとに 領域が扱われ、先頭および最後の情報のみが保持されます。例えば表の1行目は、1行1列目から 1行4列目までのピクセルが領域として扱われていることを示しています。

全てのピクセルに対して情報を持つ形式に比べて非常に圧縮された形式であるため、 領域処理が非常に高速です。



 
 
例えば、右図のような線幅計測を考えます。

4k×8kのような巨大画像に対して、画像中の全行の線幅を計測することを考えると 膨大な時間がかかりそうですが、ピクセル精度であれば下記のような処理を組むことで、 for分のような繰り返し処理をすることなく、非常に短時間での処理が可能です。

1.計測した対象領域を抽出
2.領域のランレングス情報を取得
3.ColumnEnd - ColumnBegin を線幅とする

今回の例では画像を読み込んでから線幅を計測するまでに10ms以下での処理が可能です。



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