LinX Express Vol.160

※LinX Express は、日頃お付き合い頂いているお客様、展示会やセミナー等でお名刺を戴いた方、また、雑誌やホームページから引合を戴いた事のあるお客様へ配信させて戴いております。

 

  マルチチャンネル画像マッチング

形状ベースパターンマッチング機能は、エッジ情報を用いて、正確かつ高速に対象物の位置を検出する機能です。本機能は、半導体・電子部品・FPD部品のような工業用途だけでなく、食品、医薬品業界などにも幅広く利用されています。
今号では、幅広い市場で、より安定的に形状ベースマッチングを活用する方法として、マルチチャンネル画像を活用したマッチング技術を紹介します。


  HALCON特徴機能:カラーマッチング

カラー画像に対する効果的なマッチング機能は、HALCONの形状ベースパターンマッチングの特徴的な機能の一つです。輝度値だけをみてマッチングを行う通常の処理では、色の変化をとらえることができません。HALCONのカラーマッチングでは、RGB各チャンネルのエッジ情報を複合的に活用し、人間の感覚に近い安定したマッチングを実現できます。  

 

 

 

  マルチチャンネルマッチング

これに加えて、HALCONの形状ベースパターンマッチングは、実は、R,G,Bの3チャンネルに限らず、あらゆるマルチチャンネル画像を対象に実行できます。
つまり、対象物の特徴を浮き上がらせやすい様々な照明条件で複数回撮像して、その画像をマルチチャンネル画像化することで、さらに安定したマッチングが可能になります。

マルチチャンネルマッチングによる安定化の例を以下に示します。ここでは、通常の照明環境におけるカラー画像撮影に加え、バックライト照明による画像撮影を行っています。輪郭がより強調されるバックライト画像と、カラー画像から得られる彩度画像、明度画像を組み合わせてマルチチャンネル画像を作成しています。これにより、輪郭とテクスチャの両方を強調した画像を作成でき、この画像に対するマッチングは非常に安定したものとなります。


 


また、立体的な形状をした対象物に対してマッチングを行う場合を考えます。対象物が立体的な場合、一方向から照明をあてると、特定のエッジは強調できますが、一部には影ができてしまい、全体のエッジを浮かび上がらせることはできません。そこで、複数方向から順次照明を当てて撮影し、それらを組み合わせてマルチチャンネル画像にすることが考えられます。このマルチチャンネル画像は、立体的な形状の対象物のエッジを全面的に浮かび上がらせることができるものとなり、効果的なマッチングが可能となります。


 


これ以外にも、暗視野照明との組み合わせ、近赤外照明との組み合わせなど、様々な応用が可能です。マッチングの安定性を更に向上させたい場合、HALCONのマルチチャンネルマッチングの活用をご検討ください。

サンプルプログラムをダウンロード

※実行にはHALCON 11あるいは10が必要です。HALCONのダウンロードはこちらから


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