■  HALCON 11リリース

1年半の開発期間を経て、いよいよ2012年6月にHALCON 11がリリースされます。新機能の詳細は改めて紹介させていただきますが、ここではHALCON 11の方向性について紹介いたします。 まず、HALCONの特徴機能である三次元機能がHALCON 11で更に強化されます。三次元情報（画像）を取得する様々なセンサーが市場に提供されるようになり、いよいよ三次元アプリケーションが広く活用される時代がやってきます。HALCON 11は、取得した三次元情報（画像）から、三次元位置決め、立体形状検査などの様々な目的を実現する機能が大幅に強化されます。

また、認識・分類技術は近年の画像処理機能として最も注目されている機能のひとつです。アヤハエンジニアリング殿の事例にあるような、欠陥を自動的に分類する機能は検査装置業界では広く採用されるようになりました。また、食品や医療（薬剤）の分野でも果物や錠剤の種類を認識するために分類法が活用されています。そのような分野のご要求に対応すべく、HALCON 11は、数千種類の中から特定の対象物を選別するような認識・分類技術を提供します。

そして、高速性はいつの時代でも、どの分野においても求められる要求であり、開発元のMVTec社はその重要性を十分理解しています。今回のHALCON 11でも、様々な最先端技術を駆使して処理高速化を実現します。

■  超廉価版ラインセンサー：racer

中期的な観点において工業用カメラの市場は成長を続け、2015年には現在の約1.5倍の市場に成長すると考えています。そして、その工業用カメラ市場の成長は、ハイエンドカメラではなく、ミドルエンドおよびローエンドカメラが牽引すると考えています。Basler社の経営戦略はミドルエンドおよびローエンドでの成長にフォーカスしており、aceに見られるような大幅なコストメリットを提供できるような製品開発に取り組んでいます。

2012年下期には、ラインセンサー市場の価格構造を変える低価格性を武器としたracerをリリースします。このracerで使用される新しいカメラプラットフォームは、今後15年間、Baslerの標準プラットフォームとして使用することを想定して設計されています。センサーメーカとの共同開発により、通常は3枚の基板で構成されるカメラを、2枚の基板で実現できる仕掛けを施すことでコストを抑えています。また、大量に出荷しているエリアカメラaceとも部品を共通化しているため、スケールメリットをいかしてコストを削減しています。

すでにエリアカメラの市場はコスト重視となっていますが、ラインセンサー市場はまだテクノロジー重視なところがあります。Basler社のracerは、高度なテクノロジーを低価格で提供することで、ラインセンサー市場の価格帯を押し下げ、ラインセンサー市場においてもお客様に大きなコストメリットを提供していきます。

■  CoaXPress対応画像入力ボード：銀河digital-CXP

■  縞投影3次元センサー：ShapeDrive

2011年12月に取り扱いを開始した縞投影3次元センサーShapeDriveは、上記のHALCONの章でもご紹介の通り、新しい三次元情報取得センサーとして注目を浴びています。縞投影による三次元計測自体はすでに確立された技術であり、自動車のボディー計測などで広く活用されていますが、大型でとり回しが難しく、かつ非常に高価なものであったため、マシンビジョンの分野で広く採用されることはありませんでした。しかし、近年の技術革新を積極的に取り入れたShapeDriveは、小型、かつ、生産ラインへの投入に見合う低価格で提供できるセンサーとなっています。

反射率が極端に高いものや、検出したい部位が極端に小さい場合など、ワークによっては計測が難しいものもありますが、高速、高解像度、かつ取り回しが容易なShapeDriveは、形状の検査、三次元位置認識、寸法制御、平坦度計測、リバースエンジニアリングと、広い分野で活用できると考えています。適用可能性を評価したいお客様に対しては、リンクスにて無償ベンチマークを行いますので、弊社営業担当までお問い合わせください。

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