HALCON 性能評価

シリーズ企画 『HALCON特長機能』 の第4弾、第5弾ではHALCONの大きな特長である高精度位置決め・高精度計測機能に関して紹介します。画像処理における精度に関しては皆さんの関心の高いトピックであると思います。HALCONでは1/10〜1/50ピクセル精度での計測が可能です。世界最高性能と賞賛されるHALCONの計測精度について、実際に評価した結果を紹介します。

 

■ 性能評価(1) マッチング精度

■ 性能評価(2) ステレオビジョンによる3次元計測精度

   

性能評価(1) マッチング精度

画像処理で最も必要とされる機能の1つであるパターンマッチングについて、その精度を評価した結果を紹介します。画像処理の精度はカメラ、レンズ、照明といった光学系に依存しますが、アプリケーションに適した環境を整えることにより、HALCONの性能を引き出し、超高精度計測を実現することが可能です。

マッチング精度評価条件

評価を行う条件は以下の通りです。

マッチング対象

キャリブレーションプレート (30x30mm)[図1]

■画像サイズ

・659×494 ピクセル

■検証画像

400枚 (200箇所 × 各位置で20枚)

■パターンマッチングモデル [図2]

・ROIサイズ: 285×285 ピクセル

ピラミッドレベル: 4

・その他パラメータ (コントラストなど): 自動設定

■ステージ移動分解能

・4.8nm(メカ精度)

■ステージ移動量

・0.9μm(1/100ピクセル相当)ずつ移動させて計測を行う

図3 セットアップ

   

図1 マッチング対象(キャリブレーションプレート)

 

  

   

  

図2 モデル生成

   
マッチング精度検証結果

キャリブレーションプレートを精密微動ステージ上に乗せ、X、Y方向に0.9μm(1/100ピクセル相当)ずつステージを動かしながら計測を繰り返し、実際の移動量とHALCONによる計測値を比較します。

X方向、Y方向それぞれの誤差について図4に示します。

図4 X方向・Y方向計測結果(真値との誤差)

【結果】

X方向誤差平均値: -1/78 ピクセル
Y方向誤差平均値: 1/353 ピクセル

  

X方向 3σ: 1/64 ピクセル
Y方向 3σ: 1/63 ピクセル

※3σ は計測結果のばらつきを示す指標
  

  

キャリブレーションプレートのように計測対象のエッジが明瞭な場合、1/50 ピクセル精度は十分実現可能な値であることを今回の評価結果から確認できます。

 

また、図4では、実際の値と計測値の間の誤差は周期的に振幅していることが見て取れます。この振幅の周期はほぼ1ピクセルに相当しています。これは、CCD素子の有効撮像範囲は電子回路などにより制限されていることが要因と考えられます(これをCCD素子のフィルファクターと呼びます※「画像処理アルゴリズムと実践アプリケーション」参照)。

すなわち、今回の評価における計測結果のばらつきは3σ で約1/60ピクセルと非常に小さいものですが、この小さなばらつきですらハードウェア的な要因により発生するのであって、HALCONのパターンマッチング手法の限界によるものではないことがわかります。

 

 

HALCONの持つ超高精度なマッチング機能を是非活用ください。

  

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