HALCONで実現する高精度計測

画像処理により対象物の様々な形状を高精度に計測するには、サブピクセル精度で対象物のエッジ情報をうまく抽出する必要があります。また、取得したエッジ情報から興味の対象となるエッジを選別したり、エッジを部分的に分割したり、もしくは直線的・曲線的に隣接するエッジ同士を結合するといった作業が求められます。そして、最終的にこれらのエッジを円成分や直線成分で近似することで、サブピクセル精度による高精度な計測が実現できます。

これら一連の処理を極めて柔軟に、かつ簡単に実現できるのがHALCONの特徴です。その詳細をHALCON以外のマシンビジョンツールと比較することにより、HALCONの設計コンセプトがいかに優れているかをご説明します。

本シリーズ『HALCONによる優れた高精度計測』は、以下の3号に分けてご紹介します:
1) HALCONのデータオブジェクト
2) XLDデータオブジェクトの抽出と操作性
3) XLDデータオブジェクトの円・直線近似

 

No.1: HALCONのデータオブジェクト
HALCONでは以下の3種類のデータオブジェクトを活用して様々な画像処理要求を実現します。

Imageオブジェクト
ピクセル毎に0〜255までの輝度値(8ビットの場合)を格納した配列です。HALCONでは8ビット以外に10, 12, 16ビットの整数型はもちろんのこと、実数型や複素数型のImageデータもサポートされています。

   

Regionオブジェクト
Imageオブジェクトを、2値化などの処理を用いて領域に分割した情報を意味します。ピクセル毎に0もしくは1のバイナリ情報を持ち、その精度はピクセル単位となります。HALCONではこのRegionオブジェクトをピクセル単位で配列として格納するのではなく、「ラン」という特殊なデータ格納方法を用いることで、領域関連の処理(モフォロジー等)の速度を大幅に向上しています。

   

XLD (Extended Line Description)オブジェクト
高精度計測にて卓越した効果を発揮するのがXLDオブジェクトです。これは、ピクセル間にまたがる位置情報を点列の集合として、サブピクセル精度で表現するものです。エッジを表現する際には、このXLDオブジェクトを用いるのが最適です。HALCONの特徴としては、このXLDが提供する様々な機能により、柔軟そして容易に難解な要求を実現することができます。

   

No.2およびNo.3では、実際にXLDの抽出方法とその操作方法、そして円・直線成分で近似することにより最終的に計測を行うところまでを解説いたします。ご期待ください。

なお、本号に関連するサンプルプログラムをご希望の方は、以下のサイトからダウンロードしていただけます。

    DataObject-Example.zip

ただし、本プログラムの実行にはHALCONライセンスが必要となりますので、ライセンスを所有されていない方はHALCON活用法に付随する評価版CDのご利用をお勧めいたします。HALCON活用法のご購入は以下のページを参照ください。

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